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建設業法令遵守ガイドライン(再改訂)-請負人と下請負人の関係に係る留意点-(平成24年7月)

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建設業法令遵守ガイドライン(再改訂)-請負人と下請負人の関係に係る留意点- 国土交通省土地・建設産業局建設業課(平成24年7月)(全文抜粋)

はじめに 建設産業は、激しい競争の時代に突入し、過剰供給構造にある建設業にとって、適正な競争を通じて、技術と経営に優れた企業が生き残り伸びていくことが求められています。しかしながら、建設業においては、従来から、適切な施工能力を有しない、いわゆるペーパーカンパニーなどの不良・不適格業者の存在を始め、一括下請負、技術者の不専任、不適正な元請下請関係等の法令違反が問題となっ ています。このような状況下で、建設業に対する国民の信頼の回復、建設業の魅力の向上のため、建設業者が法令遵守を徹底することが求められております。 既に、一括下請負、技術者の不専任については一括下請負の禁止について(平 成4年12月17日建設省経建発第379号)」及び「監理技術者制度運用マニュアルについて(平成16年3月1日国総建第315号)」が定められているところですが、不当に低い請負代金、指値発注、赤伝処理等の不適正な元請下請関係については、どのような行為が法令に違反するかを示した通達等が定められておらず、違法であるという認識のないまま法令違反行為が繰り返されている可能性があります。 本ガイドラインは、元請負人と下請負人との間で交わされる下請契約が発注者と元請負人が交わす請負契約と同様に建設業法(昭和24年法律第100号)に基づく請負契約であり、契約を締結する際は、建設業法に従って契約をしなければならないことや、また、元請負人と下請負人との関係に関して、どのような行為が建設業法に違反するかを具体的に示すことにより、法律の不知による法令違反行為を防ぎ、元請負人と下請負人との対等な関係の構築及び公正かつ透明な取引の実現を図ることを目的としています。 なお、本ガイドラインについては、できるだけ多くの事例を対象にすることを考えており、今後、随時更新を重ね、充実させることとしています。

参考 監理技術者制度運用マニ ュアルについて(平成16年3月1日国総建第315号)
   一括下請負の禁止(平成4年12月17日建設省経建発第379号)

1.見積条件の提示(建設業法第20条第3項)

【建設業法上違反となるおそれがある行為事例】
①元請負人が不明確な工事内容の提示等、曖昧な見積条件により下請負人に見積りを行わせた場合
②元請負人が下請負人から工事内容等の見積条件に関する質問を受けた際、元請負人が、未回答あるいは曖昧な回答をした場合 

【建設業法上違反となる行為事例】

③元請負人が予定価格が700 万円の下請契約を締結する際、見積期間を3日として下請負人に見積りを行わせた場合

上記①及び②のケースは、いずれも建設業法第20条第3項に違反するおそれがあり、③のケースは同項に違反する。 建設業法第20条第3項では、元請負人は、下請契約を締結する以前に、下記(1)に示す具体的内容を下請負人に提示し、その後、下請負人が当該下請工事の見積りをするために必要な一定の期間を設けることが義務付けられている。これは、下請契約が適正に締結されるためには、元請負人が下請負人に対し、あらかじめ、契約の内容となるべき重要な事項を提示し、適正な見積期間を設け、見積落し等の問題 が生じないよう検討する期間を確保し請負代金の額の計算その他請負契約の締結に関する判断を行わせることが必要であることを踏まえたものである。

(1)見積りに当たっては下請契約の具体的内容を提示することが必要
建設業法第20条第3項により、元請負人が下請負人に対して具体的内容を提示しなければならない事項は、同法第19条により請負契約書に記載することが義務付けられている事項(工事内容、工事着手及び工事完成の時期、前金払又は 出来形部分に対する支払の時期及び方法等(4ページ「2-1 当初契約」参照)) のうち、請負代金の額を除くすべての事項となる。見積りを適正に行うという建設業法第20条第3項の趣旨に照らすと、例えば、 上記のうち「工事内容」に関し、元請負人が最低限明示すべき事項としては、 ① 工事名称 ② 施工場所 ③ 設計図書(数量等を含む) ④ 下請工事の責任施工範囲 ⑤ 下請工事の工程及び下請工事を含む工事の全体工程 ⑥ 見積条件及び他工種との関係部位、特殊部分に関する事項 ⑦ 施工環境、施工制約に関する事項 ⑧ 材料費、産業廃棄物処理等に係る元請下請間の費用負担区分に関する事項が挙げられ、元請負人は、具体的内容が確定していない事項についてはその旨を明確に示さなければならない。 施工条件が確定していないなどの正当な理由がないにもかかわらず、元請負人 が、下請負人に対して、契約までの間に上記事項等に関し具体的な内容を提示しない場合には、建設業法第20条第3項に違反する。

(2)望ましくは、下請契約の内容は書面で提示すること、更に作業内容を明確にすること (2)望ましくは、下請契約の内容は書面で提示すること、更に作業内容を明確にすること
元請負人が見積りを依頼する際は、下請負人に対し工事の具体的な内容について、口頭ではなく、書面によりその内容を示すことが望ましく、更に、元請負人は、「施工条件・範囲リスト」(建設生産システム合理化推進協議会作成)に提示されているように、材料、機器、図面・書類、運搬、足場、養生、片付などの作業内容を明確にしておくことが望ましい。 元請負人が見積りを依頼する際は、下請負人に対し工事の具体的な内容について、口頭ではなく、書面によりその内容を示すことが望ましく、更に、元請負人は、「施工条件・範囲リスト」(建設生産システム合理化推進協議会作成)に提示されているように、材料、機器、図面・書類、運搬、足場、養生、片付などの作業内容を明確にしておくことが望ましい。

(3)予定価格の額に応じて一定の見積期間を設けることが必要
建設業法第20条第3項により、元請負人は以下のとおり下請負人が見積りを行うために必要な一定の期間(建設業法施行令(昭和31年政令第273号)第6条)を設けなければならない。
ア 工事1件の予定価格が500万円に満たない工事については、1日以上
イ 工事1件の予定価格が500 万円以上5,000 万円に満たない工事については、10日以上
ウ 工事1件の予定価格が5,000 万円以上の工事については、15日以上

 

2.書面による契約締結 2-1 当初契約(建設業法第18条、第19条第1項、第19条の3)

【建設業法上違反となる行為事例】
①下請工事に関し、書面による契約を行わなかった場合
②下請工事に関し、建設業法第19条第1項の必要記載事項を満たさない契約書面を 交付した場合
③元請負人からの指示に従い下請負人が書面による請負契約の締結前に工事に着手し、工事の施工途中又は工事終了後に契約書面を相互に交付した場合

上記①から③のケースは、いずれも建設業法第19条第1項に違反する。

(1)契約は下請工事の着工前に書面により行うことが必要
建設工事の請負契約の当事者である元請負人と下請負人は、対等な立場で契約すべきであり、建設業法第19条第1項により定められた下記(2)の①から⑭ までの14の事項を書面に記載し、署名又は記名押印をして相互に交付しなけれ ばならないこととなっている。 契約書面の交付については、災害時等でやむを得ない場合を除き、原則として 下請工事の着工前に行わなければならない。 建設業法19条第1項において、建設工事の請負契約の当事者に、契約の締結 に際して契約内容を書面に記載し相互に交付すべきことを求めているのは、請負契約の明確性及び、正確性を担保し、紛争の発生を防止するためである。また、 あらかじめ契約の内容を書面により明確にしておくことは、いわゆる請負契約の 「片務性」の改善に資することともなり、極めて重要な意義がある。

(2)契約書面には建設業法で定める一定の事項を記載することが必要
契約書面に記載しなければならない事項は、以下の①~⑭の事項である。特に、 「①工事内容」については、下請負人の責任施工範囲、施工条件等が具体的に記 載されている必要があるので、○○工事一式といった曖昧な記載は避けるべきである。
① 工事内容 ② 請負代金の額 ③ 工事着手の時期及び工事完成の時期  ④ 請負代金の全部又は一部の前金払又は出来形部分に対する支払の定めをするときは、その支払の時期及び方法 ⑤ 当事者の一方から設計変更又は工事着手の延期若しくは工事の全部若しくは 一部の中止の申出があった場合における工期の変更、請負代金の額の変更又は 損害の負担及びそれらの額の算定方法に関する定め ⑥ 天災その他不可抗力による工期の変更又は損害の負担及びその額の算定方法 に関する定め ⑦ 価格等(物価統制令(昭和21年勅令第118号)第2条に規定する価格等 をいう。)の変動若しくは変更に基づく請負代金の額又は工事内容の変更 ⑧ 工事の施工により第三者が損害を受けた場合における賠償金の負担に関する 定め ⑨ 注文者が工事に使用する資材を提供し、又は建設機械その他の機械を貸与す るときは、その内容及び方法に関する定め ⑩ 注文者が工事の全部又は一部の完成を確認するための検査の時期及び方法並 びに引渡しの時期 ⑪ 工事完成後における請負代金の支払の時期及び方法 ⑫ 工事の目的物の瑕疵を担保すべき責任又は当該責任の履行に関して講ずべき 保証保険契約の締結その他の措置に関する定めをするときは、その内容 ⑬ 各当事者の履行の遅滞その他債務の不履行の場合における遅延利息、違約金 その他の損害金 ⑭ 契約に関する紛争の解決方法

(3)注文書・請書による契約は一定の要件を満たすことが必要
注文書・請書による請負契約を締結する場合は、次に掲げる場合に応じた要件を満たさなければならない。
ア 当事者間で基本契約書を取り交わした上で、具体の取引については注文書及び請書の交換による場合
① 基本契約書には、建設業法第19条第1項第4号から第14号に掲げる事 項(上記(2)の④から⑭までの事項。ただし、注文書及び請書に個別に記 載される事項を除く。)を記載し、当事者の署名又は記名押印をして相互に 交付すること。 ② 注文書及び請書には、建設業法第19条第1項第1号から第3号までに掲 げる事項(上記(2)の①から③までの事項)その他必要な事項を記載すること。 ③ 注文書及び請書には、それぞれ注文書及び請書に記載されている事項以外 の事項については基本契約書の定めによるべきことが明記されていること。 ④ 注文書には注文者が、請書には請負者がそれぞれ署名又は記名押印するこ と。 イ注文書及び請書の交換のみによる場合 ① 注文書及び請書のそれぞれに、同一の内容の契約約款を添付又は印刷する こと。 ② 契約約款には、建設業法第19条第1項第4号から第14号に掲げる事項 (上記(2)の④から⑭までの事項。ただし、注文書及び請書に個別に記載 される事項を除く。)を記載すること。 ③ 注文書又は請書と契約約款が複数枚に及ぶ場合には、割印を押すこと。 ④ 注文書及び請書の個別的記載欄には、建設業法第19条第1項第1号から 第3号までに掲げる事項(上記(2)の①から③までの事項)その他必要な 事項を記載すること。 ⑤ 注文書及び請書の個別的記載欄には、それぞれの個別的記載欄に記載され ている事項以外の事項については契約約款の定めによるべきことが明記され ていること。 ⑥ 注文書には注文者が、請書には請負者がそれぞれ署名又は記名押印するこ と。

(4)電子契約によることも可能 書面契約に代えて、CI-NET等による電子契約も認められる。その場合で も上記(2)の①~⑭の事項を記載しなければならない。

(5)建設工事標準下請契約約款又はこれに準拠した内容を持つ契約書による 契約が基本 建設業法第18条では、「建設工事の請負契約の当事者は、各々の対等な立場 における合意に基づいて公正な契約を締結し、信義に従って誠実にこれを履行し なければならない」と規定している。建設工事の下請契約の締結に当たっては、 同条の趣旨を踏まえ、建設工事標準下請契約約款又はこれに準拠した内容を持つ 契約書による契約を締結することが基本である。

(6)片務的な内容による契約は、建設業法上不適当 元請負人と下請負人の双方の義務であるべきところを下請負人に一方的に義務 を課すものや、元請負人の裁量の範囲が大きく、下請負人に過大な負担を課す内 容など、建設工事標準下請契約約款に比べて片務的な内容による契約については、 結果として建設業法第19条の3により禁止される不当に低い請負代金(12ペ ージ「3.不当に低い請負代金」参照)につながる可能性が高い契約となるので、 適当ではない。 また、発注者と元請負人の関係において、例えば、発注者が契約変更に応じな いことを理由として、下請負人の責めに帰すべき理由がないにもかかわらず、下 請負人に追加工事等の費用を負担させることは、元請負人としての責任を果たし ているとはいえず、元請負人は発注者に対して発注者が契約変更等、適切な対応 をとるよう働きかけを行うことが望ましい。

(7)一定規模以上の解体工事等の場合は、契約書面にさらに以下の事項の記 載が必要 建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(平成12年法律第104号。 以下「建設リサイクル法」という。)第13条では、一定規模*以上の解体工事等 に係る下請契約を行う場合に、以下の①から④までの4事項を書面に記載し、署 名又は記名押印をして相互に交付しなければならないこととなっており、そのよ うな工事に係る契約書面は上記(2)の①から⑭までの14事項に加え、以下の 4事項の記載が必要となる。 ① 分別解体等の方法 ② 解体工事に要する費用 ③ 再資源化等をするための施設の名称及び所在地 ④ 再資源化等に要する費用 *「一定規模」とは、次のそれぞれの規模をいう ア建築物に係る解体工事…当該建築物(当該解体工事に係る部分に限る。)の床面積の合計が 80 平方メートル イ建築物に係る新築又は増築の工事…当該建築物(増築の工事にあっては、当該工事に係る部分に 限る。)の床面積の合計が500 平方メートル ウ建築物に係る新築工事等(上記イを除く)…その請負代金の額が1億円 エ建築物以外のものに係る解体工事又は新築工事等…その請負代金の額が500 万円 注解体工事又は新築工事等を二以上の契約に分割して請け負う場合においては、これを一の契約で 請け負ったものとみなして、前項に規定する基準を適用する。ただし、正当な理由に基づいて契約 を分割したときは、この限りでない。

2-2 追加工事等に伴う追加・変更契約(建設業法第19条第2項、第19条の3) 【建設業法上違反となる行為事例】 ①下請工事に関し追加工事又は変更工事(以下、「追加工事等」という。)が発生した が、元請負人が書面による変更契約を行わなかった場合 ②下請工事に係る追加工事等について、工事に着手した後又は工事が終了した後に書 面により契約変更を行った場合 ③下請負人に対して追加工事等の施工を指示した元請負人が、発注者との契約変更手 続が未了であることを理由として、下請契約の変更に応じなかった場合 ④下請負人の責めに帰すべき理由がないにもかかわらず、下請工事の工期が当初契約 の工期より短くなり、残された工期内に工事を完了させるため労働者の増員等が必 要となった場合に、下請負人との協議にも応じず、元請負人の一方的な都合により 変更の契約締結を行わなかった場合 上記①から④のケースは、いずれも建設業法第19条第2項に違反するほ か、必要な増額を行わなかった場合には同法第19条の3に違反するおそれ がある。

(1)追加工事等の着工前に書面による契約変更が必要 請負契約の当事者である元請負人と下請負人は、追加工事等の発生により請負 契約の内容で当初の請負契約書に掲げる事項を変更するときは、建設業法第19 条第2項により、当初契約を締結した際と同様に追加工事等の着工前にその変更 の内容を書面に記載し、署名又は記名押印をして相互に交付しなければならない こととなっている。これは、当初契約書において契約内容を明定しても、その後 の変更契約が口約束で行われれば、当該変更契約の明確性及び正確性が担保され ず、紛争を防止する観点からも望ましくないためであり、災害時等でやむを得な い場合を除き、原則として追加工事等の着工前に契約変更を行うことが必要であ る。 元請負人及び下請負人が追加工事等に関する協議を円滑に行えるよう、下請工 事の当初契約において、建設業法第19条第1項第5号に掲げる事項(当事者の 一方から設計変更等の申し出があった場合における工期の変更、請負代金の額の 変更又は損害の負担及びそれらの額の算定方法に関する定め)について、できる 限り具体的に定めておくことが望ましい。
(2)追加工事等の内容が直ちに確定できない場合の対応 工事状況により追加工事等の全体数量等の内容がその着工前の時点では確定で きない等の理由により、追加工事等の依頼に際して、その都度追加・変更契約を 締結することが不合理な場合は、元請負人は、以下の事項を記載した書面を追加 工事等の着工前に下請負人と取り交わすこととし、契約変更等の手続については、 追加工事等の全体数量等の内容が確定した時点で遅滞なく行うものとする。 ① 下請負人に追加工事等として施工を依頼する工事の具体的な作業内容 ② 当該追加工事等が契約変更の対象となること及び契約変更等を行う時期 ③ 追加工事等に係る契約単価の額
(3)元請負人が合理的な理由なく下請工事の契約変更を行わない場合は建設 業法に違反 追加工事等が発生しているにもかかわらず、例えば、元請負人が発注者との間 で追加・変更契約を締結していないことを理由として、下請負人からの追加・変 更契約の申出に応じない行為等、元請負人が合理的な理由もなく一方的に変更契 約を行わない行為については、建設業法第19条第2項に違反する。
(4)追加工事等の費用を下請負人に負担させることは、建設業法第19条の 3に違反するおそれ 追加工事等を下請負人の負担により施工させたことにより、下請代金の額が当 初契約工事及び追加工事等を施工するために「通常必要と認められる原価」(1 2ページ「3.不当に低い請負代金」参照)に満たない金額となる場合には、当 該元請下請間の取引依存度等によっては、建設業法第19条の3の不当に低い請 負代金の禁止に違反するおそれがある。

2-3 工期変更に伴う変更契約(建設業法第19条第2項、第19条の3) 【建設業法上違反となる行為事例】 下請負人の責めに帰すべき理由がないにもかかわらず、下請工事の当初契約で定め た工期が変更になり、下請工事の費用が増加したが、元請負人が下請負人からの協 議に応じず、書面による変更契約を行わなかった場合 上記のケースは、建設業法第19条第2項に違反するほか、必要な増額を 行わなかった場合には同法第19条の3に違反するおそれがある。
(1)工期変更にかかる工事の着工前に書面による契約変更が必要 請負契約の当事者である元請負人と下請負人は、工期変更により請負契約で当 初の請負契約書に掲げる事項を変更するときは、建設業法第19条第2項により、 当初契約を締結した際と同様に工期変更にかかる工事の着工前にその変更の内容 を書面に記載し、署名又は記名押印をして相互に交付しなければならない。 元請負人及び下請負人が工期変更に関する協議を円滑に行えるよう、下請工事 の当初契約において、建設業法第19条第1項第5号に掲げる事項(当事者の一 方から工事着手の延期等の申し出があった場合における工期の変更、請負代金の 額の変更又は損害の負担及びそれらの額の算定方法に関する定め)について、で きる限り具体的に定めておくことが望ましい。
(2)工事に着手した後に工期が変更になった場合、追加工事等の内容及び変 更後の工期が直ちに確定できない場合の対応 下請工事に着手した後に工期が変更になった場合は、契約変更等の手続きにつ いては、変更後の工期が確定した時点で遅滞なく行うものとする。工期を変更す る必要があると認めるに至ったが、変更後の工期の確定が直ちにできない場合に は、工期の変更が契約変更等の対象となること及び契約変更等を行う時期を記載 した書面を、工期を変更する必要があると認めた時点で下請負人と取り交わすこ ととし、契約変更等の手続については、変更後の工期が確定した時点で遅滞なく 行うものとする。
(3)下請負人の責めに帰すべき理由がないにもかかわらず工期が変更になり、 これに起因して下請工事の費用が増加したが、元請負人が下請工事の変更を行わない場合は建設業法違反 下請負人の責めに帰すべき理由がないにもかかわらず工期が変更になり、これ に起因して下請工事の費用が増加したにもかかわらず、例えば、元請負人が発注 者から増額変更が認められないことを理由として、下請負人からの契約変更の申 し出に応じない行為等、必要な変更契約を行わない行為については、建設業法第 19条第2項に違反する。
(4)下請負人の責めに帰すべき理由がないにもかかわらず工期が変更になり、 これに起因して下請工事の費用が増加した場合に、費用の増加分について 下請負人に負担させることは、建設業法第19条の3に違反するおそれ 下請負人の責めに帰すべき理由がないにもかかわらず工期が変更になり、これ に起因して下請工事の費用が増加した場合に、費用の増加分について下請負人に 負担させたことにより、下請代金の額が下請工事を施工するために「通常必要と 認められる原価」(12ページ「3.不当に低い請負代金」参照)に満たない金 額となる場合には、当該元請下請間の取引依存度等によっては、建設業法第19 条の3の不当に低い請負代金の禁止に違反するおそれがある。
(5)追加工事等の発生に起因する工期変更の場合の対応 工事現場においては、工期の変更のみが行われる場合のほか、追加工事等の発 生に起因して工期の変更が行われる場合が多いが、追加工事等の発生が伴う場合 には、(1)から(4)のほか、追加工事等に伴う追加・変更契約に関する記述 が該当する(8ページ「2-2 追加工事等に伴う追加・変更契約」参照)。

3.不当に低い請負代金(建設業法第19条の3) 【建設業法上違反となるおそれがある行為事例】 ①元請負人が、自らの予算額のみを基準として、下請負人との協議を行うことなく、 下請負人による見積額を大幅に下回る額で下請契約を締結した場合 ②元請負人が、契約を締結しない場合には今後の取引において不利な取扱いをする可 能性がある旨を示唆して、下請負人との従来の取引価格を大幅に下回る額で、下請 契約を締結した場合 ③元請負人が、下請代金の増額に応じることなく、下請負人に対し追加工事を施工さ せた場合 ④元請負人が、契約後に、取り決めた代金を一方的に減額した場合 上記①から④のケースは、いずれも建設業法第19条の3に違反するおそ れがある。
(1)「不当に低い請負代金の禁止」の定義 建設業法第19条の3の「不当に低い請負代金の禁止」とは、注文者が、自己 の取引上の地位を不当に利用して、その注文した建設工事を施工するために通常 必要と認められる原価に満たない金額を請負代金の額とする請負契約を請負人と 締結することを禁止するものである。 元請下請間における下請契約では、元請負人が「注文者」となり、下請負人が 「請負人」となる。
(2)「自己の取引上の地位の不当利用」とは、取引上優越的な地位にある元 請負人が、下請負人を経済的に不当に圧迫するような取引等を強いること 建設業法第19条の3の「自己の取引上の地位を不当に利用して」とは、取引 上優越的な地位にある元請負人が、下請負人の指名権、選択権等を背景に、下請 負人を経済的に不当に圧迫するような取引等を強いることをいう。 ア取引上の優越的な地位 取引上優越的な地位にある場合とは、下請負人にとって元請負人との取引の 継続が困難になることが下請負人の事業経営上大きな支障をきたすため、元請負人が下請負人にとって著しく不利益な要請を行っても、下請負人がこれを受 け入れざるを得ないような場合をいう。取引上優越的な地位に当たるか否かに ついては、元請下請間の取引依存度等により判断されることとなるため、例え ば下請負人にとって大口取引先に当たる元請負人については、取引上優越的な 地位に該当する蓋然性が高いと考えられる。 イ地位の不当利用 元請負人が、下請負人の指名権、選択権等を背景に、下請負人を経済的に不 当に圧迫するような取引等を強いたか否かについては、下請代金の額の決定に 当たり下請負人と十分な協議が行われたかどうかといった対価の決定方法等に より判断されるものであり、例えば下請負人と十分な協議を行うことなく元請 負人が価格を一方的に決定し当該価格による取引を強要する指値発注(14ペ ージ「4.指値発注」参照)については、元請負人による地位の不当利用に当 たるものと考えられる。
(3)「通常必要と認められる原価」とは、工事を施工するために一般的に必 要と認められる価格 建設業法第19条の3の「通常必要と認められる原価」とは、当該工事の施工 地域において当該工事を施工するために一般的に必要と認められる価格(直接工 事費、共通仮設費及び現場管理費よりなる間接工事費、一般管理費(利潤相当額 は含まない。)の合計額)をいい、具体的には、下請負人の実行予算や下請負人 による再下請先、資材業者等との取引状況、さらには当該地域の施工区域におけ る同種工事の請負代金額の実例等により判断することとなる。
(4)建設業法第19条の3は契約変更にも適用 建設業法第19条の3により禁止される行為は、当初契約の締結に際して、不 当に低い請負代金を強制することに限られず、契約締結後元請負人が原価の上昇 を伴うような工事内容の変更をしたのに、それに見合った下請代金の増額を行わ ないことや、一方的に下請代金を減額することにより原価を下回ることも含まれる。

4.指値発注(建設業法第18条、第19条第1項、第19条の3、第20条第3項) 【建設業法上違反となるおそれがある行為事例】 ①元請負人が自らの予算額のみを基準として、下請負人との協議を行うことなく、一 方的に下請代金の額を決定し、その額で下請契約を締結した場合 ②元請負人が合理的根拠がないのにもかかわらず、下請負人による見積額を著しく下 回る額で下請代金の額を一方的に決定し、その額で下請契約を締結した場合 ③元請負人が下請負人に対して、複数の下請負人から提出された見積金額のうち最も 低い額を一方的に下請代金の額として決定し、その額で下請契約を締結した場合 【建設業法上違反となる行為事例】 ④元請下請間で請負代金の額に関する合意が得られていない段階で、下請負人に工事 を着手させ、工事の施工途中又は工事終了後に元請負人が下請負人との協議に応じ ることなく下請代金の額を一方的に決定し、その額で下請契約を締結した場合 ⑤元請負人が、下請負人が見積りを行うための期間を設けることなく、自らの予算額 を下請負人に提示し、下請契約締結の判断をその場で行わせ、その額で下請契約を 締結した場合 上記①から⑤のケースは、いずれも建設業法第19条の3に違反するおそ れがあるほか、同法第28条第1項第2号に該当するおそれがある。また、 ④のケースは同法第19条第1項に違反し、⑤のケースは同法第20条第3 項に違反する。 元請負人が下請負人との請負契約を交わす際、下請負人と十分な協議をせず又は 下請負人の協議に応じることなく、元請負人が一方的に決めた請負代金の額を下請 負人に提示(指値)し、その額で下請負人に契約を締結させる、指値発注は、建設 業法第18条の建設工事の請負契約の原則(各々の対等な立場における合意に基づ いて公正な契約を締結する。)を没却するものである。
(1)指値発注は建設業法に違反するおそれ 指値発注は、元請負人としての地位の不当利用に当たるものと考えられ、下請 代金の額がその工事を施工するために「通常必要と認められる原価」(12ペー ジ「3.不当に低い請負代金」参照)に満たない金額となる場合には、当該元請 下請間の取引依存度等によっては、建設業法第19条の3の不当に低い請負代金 の禁止に違反するおそれがある。元請負人が下請負人に対して示した工期が、通常の工期に比べて著しく短いな ど厳しい工期である場合には、下請工事を施工するために「通常必要と認められ る原価」は、元請負人が示した厳しい工期で下請工事を完成させることを前提と して算定されるべきである。 元請負人が、通常の工期を前提とした下請代金の額で指値をした上で厳しい工 期で下請工事を完成させることにより、下請代金の額がその工事を施工するため に「通常必要と認められる原価」(12ページ「3.不当に低い請負代金」参照) を下回る場合には、建設業法第19条の3に違反するおそれがある。 また、下請負人が元請負人が指値した額で下請契約を締結するか否かを判断す る期間を与えることなく、回答を求める行為については、建設業法第20条第3 項の見積りを行うための一定期間の確保に違反する(2ページ「1.見積条件の 提示」参照)。 さらに、元請下請間において請負代金の額の合意が得られず、このことにより 契約書面の取り交わしが行われていない段階で、元請負人が下請負人に対し下請 工事の施工を強要し、その後に下請代金の額を元請負人の指値により一方的に決 定する行為は、建設業法第19条第1項に違反する(4ページ「2.書面による 契約締結」参照)。 なお、上記に該当しない場合についても、指値発注は、その情状によっては、 建設業法第28条第1項第2号の請負契約に関する不誠実な行為に該当するおそ れがある。
(2)元請負人は、指値発注により下請契約を締結することがないよう留意す ることが必要 下請契約の締結に当たり、元請負人が契約額を提示する場合には、自らが提示 した額の積算根拠を明らかにして下請負人と十分に協議を行うなど、指値発注に より下請契約を締結することがないよう留意すべきである。

5.不当な使用資材等の購入強制(建設業法第19条の4) 【建設業法上違反となるおそれがある行為事例】 ①下請契約の締結後に、元請負人が下請負人に対して、下請工事に使用する資材又は 機械器具等を指定、あるいはその購入先を指定した結果、下請負人は予定していた 購入価格より高い価格で資材等を購入することとなった場合 ②下請契約の締結後、元請負人が指定した資材等を購入させたことにより、下請負人 が既に購入していた資材等を返却せざるを得なくなり金銭面及び信用面における損 害を受け、その結果、従来から継続的取引関係にあった販売店との取引関係が悪化 した場合 上記①及び②のケースは、いずれも建設業法第19条の4に違反するおそ れがある。
(1)「不当な使用資材等の購入強制」の定義 建設業法第19条の4で禁止される「不当な使用資材等の購入強制」とは、請 負契約の締結後に「注文者が、自己の取引上の地位を不当に利用して、請負人に 使用資材若しくは機械器具又はこれらの購入先を指定し、これらを請負人に購入 させて、その利益を害すること」である。 元請下請間における下請契約では、元請負人が「注文者」となり、下請負人が 「請負人」となる。
(2)建設業法第19条の4は、下請契約の締結後の行為が規制の対象 「不当な使用資材等の購入強制」が禁止されるのは、下請契約の締結後におけ る行為に限られる。これは、元請負人の希望するものを作るのが建設工事の請負 契約であるから、下請契約の締結に当たって、元請負人が、自己の希望する資材 等やその購入先を指定することは、当然のことであり、これを認めたとしても下 請負人はそれに従って適正な見積りを行い、適正な下請代金で契約を締結するこ とができるため、下請負人の利益は何ら害されるものではないからである。
(3)「自己の取引上の地位の不当利用」とは、取引上優越的な地位にある元 請負人が、下請負人を経済的に不当に圧迫するような取引等を強いること 「自己の取引上の地位を不当に利用して」とは、取引上優越的な地位にある元 請負人が、下請負人の指名権、選択権等を背景に、下請負人を経済的に不当に圧 迫するような取引等を強いることをいう(12ページ「3.不当に低い請負代金」 参照)。
(4)「資材等又はこれらの購入先の指定」とは、商品名又は販売会社を指定 すること 「請負人に使用資材若しくは機械器具又はこれらの購入先を指定し、これらを 請負人に購入させて」とは、元請負人が下請工事の使用資材等について具体的に ○○会社○○型というように会社名、商品名等を指定する場合又は購入先となる 販売会社等を指定する場合をいう。
(5)「請負人の利益を害する」とは、金銭面及び信用面において損害を与え ること 「その利益を害する」とは、資材等を指定して購入させた結果、下請負人が予 定していた資材等の購入価格より高い価格で購入せざるを得なかった場合、ある いは既に購入していた資材等を返却せざるを得なくなり金銭面及び信用面におけ る損害を受け、その結果、従来から継続的取引関係にあった販売店との取引関係 が極度に悪化した場合等をいう。 したがって、元請負人が指定した資材等の価格の方が下請負人が予定していた 購入価格より安く、かつ、元請負人の指定により資材の返却等の問題が生じない 場合には、下請負人の利益は害されたことにはならない。
(6)元請負人が使用資材等の指定を行う場合には、見積条件として提示する ことが必要 使用資材等について購入先等の指定を行う場合には、元請負人は、あらかじめ 見積条件としてそれらの項目を提示する必要がある。

6.やり直し工事(建設業法第18条、第19条第2項、第19条の3) 【建設業法上違反となるおそれがある行為事例】 元請負人が、元請負人と下請負人の責任及び費用負担を明確にしないままやり直し 工事を下請負人に行わせ、その費用を一方的に下請負人に負担させた場合 上記のケースは、建設業法第19条第2項、第19条の3に違反するおそ れがあるほか、同法第28条第1項第2号に該当するおそれがある。
(1)やり直し工事を下請負人に依頼する場合は、やり直し工事が下請負人の 責めに帰すべき場合を除き、その費用は元請負人が負担することが必要 元請負人は下請工事の施工に関し下請負人と十分な協議を行い、また、明確な 施工指示を行うなど、下請工事のやり直し(手戻り)が発生しない施工に努める ことはもちろんであるが、やむを得ず、下請工事の施工後に、元請負人が下請負 人に対して工事のやり直しを依頼する場合には、やり直し工事が下請負人の責め に帰すべき理由がある場合を除き、当該やり直し工事に必要な費用は元請負人が 負担する必要がある。
(2)下請負人の責めに帰さないやり直し工事を下請負人に依頼する場合は、 契約変更が必要 下請負人の責めに帰すべき理由がないのに、下請工事の施工後に、元請負人が 下請負人に対して工事のやり直しを依頼する場合にあっては、元請負人は速やか に当該工事に必要となる費用について元請下請間で十分に協議した上で、契約変 更を行う必要があり、元請負人が、このような契約変更を行わず、当該やり直し 工事を下請負人に施工させた場合には、建設業法第19条第2項に違反する(8 ページ「2-2 追加工事等に伴う追加・変更契約」参照)。
(3)下請負人の一方的な費用負担は建設業法に違反するおそれ 下請負人の責めに帰すべき理由がないのに、その費用を一方的に下請負人に負 担させるやり直し工事によって、下請代金の額が、当初契約工事及びやり直し工 事を施工するために「通常必要と認められる原価」(12ページ「3.不当に低 い請負代金」参照)に満たない金額となる場合には、当該元請下請間の取引依存度等によっては、建設業法第19条の3の不当に低い請負代金の禁止に違反する おそれがある。 また、上記建設業法第19条第2項及び第19条の3に違反しない場合であっ ても、やり直し工事により、元請負人が下請負人の利益を不当に害した場合には、 その情状によっては、建設業法第28条第1項第2号の請負契約に関する不誠実 な行為に該当するおそれがある。
(4)下請負人の責めに帰すべき理由がある場合とは、下請負人の施工が契約 書面に明示された内容と異なる場合又は下請負人の施工に瑕疵等がある場 合 下請負人の責めに帰すべき理由があるとして、元請負人が費用を全く負担する ことなく、下請負人に対して工事のやり直しを求めることができるのは、下請負 人の施工が契約書面に明示された内容と異なる場合又は下請負人の施工に瑕疵等 がある場合に限られる。なお、次の場合には、元請負人が費用の全額を負担する ことなく、下請負人の施工が契約書面と異なること又は瑕疵等があることを理由 としてやり直しを要請することは認められない。 ア下請負人から施工内容等を明確にするよう求めがあったにもかかわらず、元 請負人が正当な理由なく施工内容等を明確にせず、下請負人に継続して作業を 行わせ、その後、下請工事の内容が契約内容と異なるとする場合 イ施工内容について下請負人が確認を求め、元請負人が了承した内容に基づき 下請負人が施工したにもかかわらず、下請工事の内容が契約内容と異なるとす る場合

7.赤伝処理(建設業法第18条、第19条、第19条の3、第20条第3項) 【建設業法上違反となるおそれがある行為事例】 ①元請負人が、下請負人と合意することなく、下請工事の施工に伴い副次的に発生し た建設廃棄物の処理費用、下請代金を下請負人の銀行口座へ振り込む際の手数料等 を下請負人に負担させ、下請代金から差し引く場合 ②元請負人が、建設廃棄物の発生がない下請工事の下請負人から、建設廃棄物の処理 費用との名目で、一定額を下請代金から差し引く場合 ③元請負人が、元請負人の販売促進名目の協力費等、差し引く根拠が不明確な費用を、 下請代金から差し引く場合 ④元請負人が、工事のために自らが確保した駐車場、宿舎を下請負人に使用させる場 合に、その使用料として実際にかかる費用より過大な金額を差し引く場合 ⑤元請負人が、元請負人と下請負人の責任及び費用負担を明確にしないままやり直し 工事を別の専門工事業者に行わせ、その費用を一方的に下請代金から減額すること により下請負人に負担させた場合 上記①から⑤のケースは、いずれも建設業法第19条の3に違反するおそ れがあるほか、同法第28条第1項第2号に該当するおそれがある。 また、上記①のケースについて、当該事項を契約書面に記載しなかった場 合には建設業法第19条、見積条件として具体的な内容を提示しなかった場 合には同法第20条第3項に違反する。 赤伝処理とは、元請負人が ① 下請代金の支払に関して発生する諸費用(下請代金の振り込み手数料等) ② 下請工事の施工に伴い副次的に発生する建設廃棄物の処理費用 ③ 上記以外の諸費用(駐車場代、弁当ごみ等のごみ処理費用、安全協力会費等) を下請代金の支払時に差引く(相殺する)行為である。
(1)赤伝処理を行う場合は、元請負人と下請負人双方の協議・合意が必要 赤伝処理を行うこと自体が直ちに建設業法上の問題となることはないが、赤伝 処理を行うためには、その内容や差引く根拠等について元請負人と下請負人双方 の協議・合意が必要であることに、元請負人は留意しなければならない。
(2)赤伝処理を行う場合は、その内容を見積条件・契約書面に明示すること が必要 下請代金の支払に関して発生する諸費用及び下請工事の施工に伴い副次的に発 生する建設廃棄物の処理費用について赤伝処理を行う場合には、元請負人は、そ の内容や差引額の算定根拠等について、見積条件や契約書面に明示する必要があ り、当該事項を見積条件に明示しなかった場合については建設業法第20条第3 項に、当該事項を契約書面に記載しなかった場合については同法第19条に違反 する。 また、建設リサイクル法第13条では、建設副産物の再資源化に関する費用を 契約書面に明示することを義務付けていることにも、元請負人は留意すべきであ る(4ページ「2-1 当初契約」参照)。
(3)適正な手続に基づかない赤伝処理は建設業法に違反するおそれ 赤伝処理として、元請負人と下請負人双方の協議・合意がないまま元請負人が 一方的に諸費用を下請代金から差引く行為や下請負人との合意はあるものの、差 引く根拠が不明確な諸費用を下請代金から差引く行為又は実際に要した諸費用 (実費)より過大な費用を下請代金から差引く行為等は、建設業法第18条の建 設工事の請負契約の原則(各々の対等な立場における合意に基づいて公正な契約 を締結する。)を没却することとなるため、元請負人の一方的な赤伝処理につい ては、その情状によっては、建設業法第28条第1項第2号の請負契約に関する 不誠実な行為に該当するおそれがある。 なお、赤伝処理によって、下請代金の額が、その工事を施工するために「通常 必要と認められる原価」(12ページ「3.不当に低い請負代金」参照)に満た ない金額となる場合には、当該元請下請間の取引依存度等によっては、建設業法 第19条の3の不当に低い請負代金の禁止に違反するおそれがある。
(4)赤伝処理は下請負人との合意のもとで行い、差引額についても下請負人 の過剰負担となることがないよう十分に配慮することが必要 赤伝処理は、下請負人に費用負担を求める合理的な理由があるものについて、 元請負人が、下請負人との合意のもとで行えるものである。元請負人は、赤伝処 理を行うに当たっては、差引額の算出根拠、使途等を明らかにして、下請負人と 十分に協議を行うとともに、例えば、安全協力費については下請工事の完成後に 当該費用の収支について下請負人に開示するなど、その透明性の確保に努め、赤伝処理による費用負担が下請負人に過剰なものにならないよう十分に配慮する必 要がある。 また、赤伝処理に関する元請下請間における合意事項については、駐車場代等 建設業法第19条の規定による書面化義務の対象とならないものについても、後 日の紛争を回避する観点から、書面化して相互に取り交わしておくことが望まし い。

8.工期(建設業法第19条第2項、第19条の3) 【建設業法上違反となるおそれがある行為事例】 ①元請負人の施工管理が不十分であったなど、下請負人の責めに帰すべき理由がない にもかかわらず下請工事の工程に遅れが生じ、その結果下請負人の工期を短縮せざ るを得なくなった場合において、これに伴って発生した増加費用について下請負人 との協議を行うことなく、その費用を一方的に下請負人に負担させた場合 ②元請負人の施工管理が不十分であったなど、下請負人の責めに帰すべき理由がない にもかかわらず下請工事の工期が不足し、完成期日に間に合わないおそれがあった 場合において、元請負人が下請負人との協議を行うことなく、他の下請負人と下請 契約を締結し、又は元請負人自ら労働者を手配し、その費用を一方的に下請負人に 負担させた場合 ③元請負人の都合により、下請工事が一時中断され、工期を延長した場合において、 その間も元請負人の指示により下請負人が重機等を現場に待機させ、又は技術者等 を確保していたにもかかわらず、これらに伴って発生した増加費用を一方的に下請 負人に負担させた場合 上記①から③のケースは、いずれも建設業法第19条の3に違反するおそ れがあるほか、同法第28条第1項第2号に該当するおそれがある。また、い ずれのケースも変更契約を行わない場合には、建設業法第19条第2項に違反 する。 (1)工期に変更が生じた場合には、当初契約と同様に変更契約を締結すること が必要 建設工事の請負契約の当事者である元請負人及び下請負人は、当初契約の締 結に当たって、適正な工期を設定すべきであり、また、元請負人は工程管理を 適正に行うなど、できる限り工期に変更が生じないよう努めるべきであること はいうまでもない。しかし、工事現場の状況により、やむを得ず工期を変更す ることが必要になる場合も多い。このような場合には、建設業法第19条第2 項により、当初契約を締結した際と同様に、変更の内容を書面に記載し、署名 又は記名押印をして相互に交付しなければならないこととなっている(10ペ ージ「2-3 工期変更に伴う変更契約」参照)。 工期の変更に関する変更契約の締結に際しても、他の変更契約の締結の際と 同様に、元請負人は、速やかに当該変更に係る工期や費用等について、下請負 – 24 – 人と十分に協議を行う必要がある。合理的な理由もなく元請負人の一方的な都 合により、下請負人の申し出に応じず、必要な変更契約の締結を行わない場合 には、建設業法第19条第2項に違反する。
(2)下請負人の責めに帰すべき理由がないにもかかわらず工期が変更になり、 これに起因する下請工事の費用が増加した場合は、元請負人がその費用を負 担することが必要 下請負人の責めに帰すべき理由がないにもかかわらず、例えば、元請負人の施 工管理が十分に行われなかったため、下請工事の工期を短縮せざるを得ず、労働 者を集中的に配置した等の理由により、下請工事の費用が増加した場合には、そ の増加した費用については元請負人が負担する必要がある。 (3)元請負人が、工期変更に起因する費用増を下請負人に一方的に負担させ ることは建設業法に違反するおそれ 元請負人が下請負人に対して、自己の取引上の地位を利用して、一方的に下請 代金の額を決定し、その額で下請契約を締結させた場合や、下請負人の責めに帰 すべき理由がない工期の変更による下請工事の費用の増加を元請負人の都合によ り、一方的に下請負人に負担させ又は赤伝処理を行った結果、下請代金の額が「通 常必要と認められる原価」(12ページ「3.不当に低い請負代金」参照)に満 たない金額となる場合には、当該元請下請間の取引依存度等によっては、建設業 法第19条の3の不当に低い請負代金の禁止に違反するおそれがある。 また、上記建設業法第19条第2項及び第19条の3に違反しない場合であっ ても、工期の変更により、元請負人が下請負人の利益を不当に害した場合には、 その情状によっては、建設業法第28条第1項第2号の請負契約に関する不誠実 な行為に該当するおそれがある。

9.支払保留(建設業法第24条の3、第24条の5) 【建設業法上違反となるおそれがある行為事例】 ①下請契約に基づく工事目的物が完成し、元請負人の検査及び元請負人への引渡し終 了後、元請負人が下請負人に対し、長期間にわたり保留金として下請代金の一部を 支払わない場合 ②建設工事の前工程である基礎工事、土工事、鉄筋工事等について、それぞれの工事 が完成し、元請負人の検査及び引渡しを終了したが、元請負人が下請負人に対し、 工事全体が終了(発注者への完成引渡しが終了)するまでの長期間にわたり保留金 として下請代金の一部を支払わない場合 ③工事全体が終了したにもかかわらず、元請負人が他の工事現場まで保留金を持ち越 した場合 上記①から③のケースは、いずれも建設業法第24条の3及び第24条の 5に違反するおそれがある。 下請代金については、元請負人と下請負人の合意により交わされた下請契約に基 づいて適正に支払われなければならない。 建設業法第24条の3で、元請負人が注文者から請負代金の出来形部分に対する 支払又は工事完成後における支払を受けたときは、下請負人に対して、元請負人が 支払を受けた金額の出来形に対する割合及び下請負人が施工した出来形部分に相応 する下請代金を、支払を受けた日から1月以内で、かつ、できる限り短い期間内に 支払わなければならないと定められている。 また、建設業法第24条の5では、元請負人が特定建設業者であり下請負人が一 般建設業者(資本金額が4,000 万円以上の法人であるものを除く。)である場合、 発注者から工事代金の支払があるか否かにかかわらず、下請負人が引渡しの申出を 行った日から起算して50 日以内で、かつ、できる限り短い期間内において期日を 定め下請代金を支払わなければならないと定められている。そのため、特定建設業 者の下請代金の支払期限については、注文者から出来高払い又は竣工払を受けた日 から1月を経過する日か、下請負人が引渡しの申出を行った日から起算して50 日 以内で定めた支払期日のいずれか早い期日となる。
(1)正当な理由がない長期支払保留は建設業法に違反 工事が完成し、元請負人の検査及び引渡しが終了後、正当な理由がないにもか かわらず長期間にわたり保留金として下請代金の一部を支払わないことは、建設 業法第24条の3又は同法第24条の5に違反する。 (2)望ましくは下請代金をできるだけ早期に支払うこと 元請負人が特定建設業者か一般建設業者かを問わず、また、下請負人の資本金 の額が4,000 万円未満かを問わず、元請負人は下請負人に対し下請代金の支払は できるだけ早い時期に行うことが望ましい。

10.長期手形(建設業法第24条の5第3項) 【建設業法上違反となるおそれがある行為事例】 特定建設業者である元請負人が、手形期間が120日を超える手形により下請代金 の支払を行った場合 上記のケースは、建設業法第24条の5第3項に違反するおそれがある。 建設業法第24条の5第3項では、元請負人が特定建設業者であり下請負人が資 本金4,000 万円未満の一般建設業者である場合、下請代金の支払に当たって一般の 金融機関による割引を受けることが困難であると認められる手形を交付してはなら ないとされている。
(1)割引を受けることが困難な長期手形の交付は建設業法に違反 元請負人が手形期間120日を超える長期手形を交付した場合は、「割引を受 けることが困難である手形の交付」と認められる場合があり、その場合には建設 業法第24条の5第3項に違反する。
(2)望ましくは手形期間は120日を超えないこと 元請負人が特定建設業者か一般建設業者かを問わず、下請代金を手形で支払う 場合には、元請負人は下請負人に対し手形期間が120日を超えない手形を交付 することが望ましい。

11.帳簿の備付け・保存及び営業に関する図書の保存(建設業法第40条の3) 【建設業法上違反となる行為事例】 ①建設業を営む営業所に帳簿及び添付書類が備付けられていなかった場合 ②帳簿及び添付書類は備付けられていたが、5年間保存されていなかった場合 ③発注者から直接請け負った建設工事の完成図等の営業に関する図書が、10年間保 存されていなかった場合 上記①から③のケースは、いずれも建設業法第40条の3に違反する。 ※③については、平成20年11月28日以降に工事目的物の引渡しをしたものに 限る。
(1)営業所ごとに、帳簿を備え、5年間保存することが必要 建設業法第40条の3では、建設業者は営業所ごとに、営業に関する事項を記 録した帳簿を備え、5年間(平成21年10月1日以降については、発注者と締 結した住宅を新築する建設工事に係るものにあっては、10年間。)保存しなけ ればならないとされている。(建設業法施行規則(昭和24年建設省令第14号) 第28条第1項)。
(2)帳簿には、営業所の代表者の氏名、請負契約・下請契約に関する事項な どを記載することが必要 帳簿に記載する事項は以下のとおりである(建設業法施行規則第26条第1 項)。 ① 営業所の代表者の氏名及びその者が営業所の代表者となった年月日 ② 注文者と締結した建設工事の請負契約に関する事項 ・請け負った建設工事の名称及び工事現場の所在地 ・注文者と請負契約を締結した年月日 ・注文者の商号・名称(氏名)、住所、許可番号 ・請け負った建設工事の完成を確認するための検査が完了した年月日 ・工事目的物を注文者に引渡した年月日 ③ 発注者(宅地建物取引業者を除く。)と締結した住宅を新築する建設工事の 請負契約に関する事項 ・当該住宅の床面積 – 29 – ・建設瑕疵負担割合(発注者と複数の建設業者の間で請負契約が締結された 場合) ・住宅瑕疵担保責任保険法人の名称(資力確保措置を保険により行った場合) ④ 下請負人と締結した下請契約に関する事項 ・下請負人に請け負わせた建設工事の名称及び工事現場の所在地 ・下請負人と下請契約を締結した年月日 ・下請負人の商号・名称、住所、許可番号 ・下請負人に請け負わせた建設工事の完成を確認するための検査を完了した 年月日 ・下請工事の目的物について下請負人から引渡しを受けた年月日 ⑤ 特定建設業者が注文者となって資本金4,000 万円未満の法人又は個人である 一般建設業者と下請契約を締結したときは、上記の記載事項に加え、以下の事 項 ・支払った下請代金の額、支払年月日及び支払手段 ・支払手形を交付したとき…その手形の金額、交付年月日及び手形の満期 ・下請代金の一部を支払ったとき…その後の下請代金の残額 ・遅延利息を支払ったとき…その額及び支払年月日 ※上記の帳簿は電磁的記録によることも可能。
(3)帳簿には契約書などを添付することが必要 帳簿には、契約書若しくはその写し又はその電磁的記録を添付しなければなら ない(建設業法施行規則第26条第2項、第6項)。 また、以下の場合にはこれらの書類に加え、次のそれぞれの書類を添付する。 ア特定建設業者が注文者となって資本金4,000 万円未満の法人又は個人である 一般建設業者と下請契約を締結した場合は、下請負人に支払った下請代金の額、 支払年月日及び支払手段を証明する書類(領収書等)又はその写しを添付 イ特定建設業者が元請工事について、3,000 万円(建築一式工事の場合4,500 万円。一次下請負人への下請代金の総額で判断。)以上の下請契約を締結した 場合は、工事完成後(建設業法施行規則第26条第3項)に施工体制台帳のう ち以下に掲げる事項が記載された部分を添付 ・自社が実際に工事現場に置いた監理技術者の氏名及びその有する監理技術 者資格 ・自社が監理技術者以外に専門技術者を置いたときは、その者の氏名、その – 30 – 者が管理をつかさどる建設工事の内容及びその有する主任技術者資格 ・下請負人の商号又は名称及び許可番号 ・下請負人に請け負わせた建設工事の内容及び工期 ・下請負人が実際に工事現場に置いた主任技術者の氏名及びその有する主任 技術者資格 ・下請負人が主任技術者以外に専門技術者を置いたときは、その者の氏名、 その者が管理をつかさどる建設工事の内容及びその有する主任技術者資格
(4)発注者から直接建設工事を請け負った場合は、営業所ごとに、営業に関 する図書を10年間保存することが必要 発注者から直接建設工事を請け負った場合は、営業所ごとに、以下の営業に関 する図書を当該建設工事の目的物の引渡をしたときから10年間保存しなければ ならないとされている。(建設業法施行規則第26条第5項、第8項、第28条 第2項) ① 完成図(建設業者が作成した場合又は発注者から受領した場合のみ。) ② 工事内容に関する発注者との打ち合わせ記録(相互に交付したものに限る。) ③ 施工体系図(発注者から直接請け負った建設工事について、3,000 万円(建 築一式工事の場合4,500 万円。一次下請負人への下請代金の総額で判断。)以 上の下請契約を締結した特定建設業者の場合のみ。) ※平成20年11月28日以降に引渡をしたものから適用。なお、上記の図書は 電磁的記録によることも可能。

12 関係法令
12 -1 独占禁止法との関係について 建設業法第42条では、国土交通大臣又は都道府県知事は、その許可を受けた 建設業者が第19条の3(不当に低い請負代金の禁止)、第19条の4(不当な 使用資材等の購入強制の禁止)、第24条の3(下請代金の支払)第1項、第2 4条の4(検査及び引渡し)又は第24条の5(特定建設業者の下請代金の支払 期日等)第3項若しくは第4項の規定に違反している事実があり、その事実が私 的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和22年法律第54号。以下 「独占禁止法」という。)第19条の規定に違反していると認めるときは、公正 取引委員会に対して措置請求を行うことができると規定している。 また、公正取引委員会は、独占禁止法第19条の規定の適用に関して、建設業 の下請取引における不公正な取引方法の認定基準(昭和47年4月1日公正取引 委員会事務局長通達第4号。以下「認定基準」という。)を示している。 なお、本ガイドラインと関係のある認定基準は以下のとおりである。 ① 「2-2 追加工事等に伴う追加・変更契約」、「2-3 工期変更に伴う変 更契約」、「3.不当に低い請負代金」、「6.やり直し工事」及び「8.工期」 に関しては、認定基準の6に掲げる「不当に低い請負代金」及び認定基準の7 に掲げる「不当減額」 ② 「4.指値発注」に関しては、認定基準の6に掲げる「不当に低い請負代金」 ③ 「5.不当な使用資材等の購入強制」に関しては、認定基準の8に掲げる「購 入強制」 ④ 「7.赤伝処理」に関しては、認定基準の7に掲げる「不当減額」 ⑤ 「8.支払保留」に関しては、認定基準の3に掲げる「注文者から支払を受 けた場合の下請代金の支払」及び認定基準の4に掲げる「特定建設業者の下請 代金の支払」 ⑥ 「9.長期手形」に関しては、認定基準の5に掲げる「交付手形の制限」

12 -2 社会保険・労働保険について 社会保険や労働保険は労働者が安心して働くために必要な制度である。このた め、社会保険、労働保険は強制加入の方式がとられている。 健康保険と厚生年金保険については、法人の場合にはすべての事業所について、 個人経営の場合でも常時5人以上の従業員を使用する限り、必ず加入手続を行わ なければならない。また、雇用保険については建設事業主の場合、個人経営か法 人かにかかわらず、労働者を1人でも雇用する限り、必ず加入手続をとらなけれ ばならない。 これらの保険料は、建設業者が義務的に負担しなければならない法定福利費で あり、建設業法第19条の3に規定する「通常必要と認められる原価」に含まれ るものである。 このため、元請負人及び下請負人は見積時から法定福利費を必要経費として適 正に確保する必要がある。 下請負人は、見積書に法定福利費相当額を明示すべきであり、下請負人の見積 書に法定福利費相当額が明示されているにもかかわらず、元請負人がこれを尊重 せず、法定福利費相当額を一方的に削減したり、法定福利費相当額を含めない金 額で建設工事の請負契約を締結し、その結果「通常必要と認められる原価」に満 たない金額となる場合には、当該元請下請間の取引依存度等によっては、建設業 法第19条の3の不当に低い請負代金の禁止に違反するおそれがある。 また、社会保険・労働保険への加入は法律で義務づけられているので、保険未 加入業者は、その情状によっては、建設業法第28条第1項第3号の「その業務 に関し他の法令に違反し、建設業者として不適当」に該当するおそれがある。

「建設業法」(抄)(昭和24年5月24日法律第100 号)
(建設工事の請負契約の原則)
第18条建設工事の請負契約の当事者は、各々の対等な立場における合意に 基いて公正な契約を締結し、信義に従つて誠実にこれを履行しなければならない。 (建設工事の請負契約の内容)
第19条建設工事の請負契約の当事者は、前条の趣旨に従つて、契約の締結 に際して次に掲げる事項を書面に記載し、署名又は記名押印をして相互に交付しなければならない。
一 工事内容
二 請負代金の額
三 工事着手の時期及び工事完成の時期
四 請負代金の全部又は一部の前金払又は出来形部分に対する支払の定めをするときは、その支払の時期及び方法
五 当事者の一方から設計変更又は工事着手の延期若しくは工事の全部若し くは一部の中止の申出があつた場合における工期の変更、請負代金の額の 変更又は損害の負担及びそれらの額の算定方法に関する定め
六 天災その他不可抗力による工期の変更又は損害の負担及びその額の算定 方法に関する定め
七 価格等(物価統制令(昭和21年勅令第118 号)第2条に規定する価格等をいう。)の変動若しくは変更に基づく請負代金の額又は工事内容の変更
八 工事の施工により第三者が損害を受けた場合における賠償金の負担に関 する定め
九 注文者が工事に使用する資材を提供し、又は建設機械その他の機械を貸 与するときは、その内容及び方法に関する定め
十 注文者が工事の全部又は一部の完成を確認するための検査の時期及び方 法並びに引渡しの時期
十一 工事完成後における請負代金の支払の時期及び方法 十二工事の目的物の瑕疵を担保すべき責任又は当該責任の履行に関して講 ずべき保証保険契約の締結その他の措置に関する定めをするときは、その内容
十三 各当事者の履行の遅滞その他債務の不履行の場合における遅延利息、 違約金その他の損害金 十四契約に関する紛争の解決方法
2 請負契約の当事者は、請負契約の内容で前項に掲げる事項に該当するものを変更するときは、その変更の内容を書面に記載し、署名又は記名押印をして相互に交付しなければならない。
3 建設工事の請負契約の当事者は、前2項の規定による措置に代えて、政令 で定めるところにより、当該契約の相手方の承諾を得て、電子情報処理組織 を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて、当該各項 の規定による措置に準ずるものとして国土交通省令で定めるものを講ずるこ とができる。この場合において、当該国土交通省令で定める措置を講じた者 は、当該各項の規定による措置を講じたものとみなす。 (不当に低い請負代金の禁止) 第19条の3 注文者は、自己の取引上の地位を不当に利用して、その注文し た建設工事を施工するために通常必要と認められる原価に満たない金額を請 負代金の額とする請負契約を締結してはならない。
(不当な使用資材等の購入強制の禁止)
第19条の4 注文者は、請負契約の締結後、自己の取引上の地位を不当に利 用して、その注文した建設工事に使用する資材若しくは機械器具又はこれら の購入先を指定し、これらを請負人に購入させて、その利益を害してはなら ない。 (建設工事の見積り等) 第20条建設業者は、建設工事の請負契約を締結するに際して、工事内容に 応じ、工事の種別ごとに材料費、労務費その他の経費の内訳を明らかにして、 建設工事の見積りを行うよう努めなければならない。
2 建設業者は、建設工事の注文者から請求があつたときは、請負契約が成立 するまでの間に、建設工事の見積書を提示しなければならない。
3 建設工事の注文者は、請負契約の方法が随意契約による場合にあつては契 約を締結する以前に、入札の方法により競争に付する場合にあつては入札を 行う以前に、第19条第1項第一号及び第三号から第14号までに掲げる事 項について、できる限り具体的な内容を提示し、かつ、当該提示から当該契 約の締結又は入札までに、建設業者が当該建設工事の見積りをするために必 要な政令で定める一定の期間を設けなければならない。

【建設業法施行令】
(建設工事の見積期間)
第6条法第20条第3項に規定する見積期間は、次に掲げるとおりとする。ただ し、やむを得ない事情があるときは、第二号及び第三号の期間は、5日以内に限 り短縮することができる。
一 工事一件の予定価格が5百万円に満たない工事については、1日以上
二 工事一件の予定価格が5百万円以上5千万円に満たない工事については、 10日以上
三 工事一件の予定価格が5千万円以上の工事については、15日以上 2 国が入札の方法により競争に付する場合においては、予算決算及び会計令(昭 和22年勅令第165 号)第74条の規定による期間を前項の見積期間とみなす。
(下請代金の支払)
第24条の3 元請負人は、請負代金の出来形部分に対する支払又は工事完成 後における支払を受けたときは、当該支払の対象となつた建設工事を施工し た下請負人に対して、当該元請負人が支払を受けた金額の出来形に対する割 合及び当該下請負人が施工した出来形部分に相応する下請代金を、当該支払 を受けた日から1月以内で、かつ、できる限り短い期間内に支払わなければ ならない。 2 元請負人は、前払金の支払を受けたときは、下請負人に対して、資材の購 入、労働者の募集その他建設工事の着手に必要な費用を前払金として支払う よう適切な配慮をしなければならない。
(特定建設業者の下請代金の支払期日等)
第24条の5 特定建設業者が注文者となつた下請契約(下請契約における請 負人が特定建設業者又は資本金額が政令で定める金額以上の法人であるもの を除く。以下この条において同じ。)における下請代金の支払期日は、前条 第2項の申出の日(同項ただし書の場合にあつては、その一定の日。以下こ の条において同じ。)から起算して50日を経過する日以前において、かつ、 できる限り短い期間内において定められなければならない。
2 特定建設業者が注文者となつた下請契約において、下請代金の支払期日が 定められなかつたときは前条第2項の申出の日が、前項の規定に違反して下 請代金の支払期日が定められたときは同条第2項の申出の日から起算して5 0日を経過する日が下請代金の支払期日と定められたものとみなす。
3 特定建設業者は、当該特定建設業者が注文者となつた下請契約に係る下請 代金の支払につき、当該下請代金の支払期日までに一般の金融機関(預金又 は貯金の受入れ及び資金の融通を業とする者をいう。)による割引を受ける ことが困難であると認められる手形を交付してはならない。
4 特定建設業者は、当該特定建設業者が注文者となつた下請契約に係る下請 代金を第1項の規定により定められた支払期日又は第2項の支払期日までに 支払わなければならない。当該特定建設業者がその支払をしなかつたときは、 当該特定建設業者は、下請負人に対して、前条第2項の申出の日から起算し て50日を経過した日から当該下請代金の支払をする日までの期間について、その日数に応じ、当該未払金額に国土交通省令で定める率を乗じて得た 金額を遅延利息として支払わなければならない。
【建設業法施行令】
(法第24条の5第1項の金額)
第7条の2 法第24条の5第1項の政令で定める金額は、4千万円とする。
(指示及び営業の停止)
第28条国土交通大臣又は都道府県知事は、その許可を受けた建設業者が 次の各号のいずれかに該当する場合又はこの法律の規定(第19条の3、第 19条の4及び第24条の3から第24条の5までを除き、公共工事の入札 及び契約の適正化の促進に関する法律(平成12年法律第127 号。以下「入 札契約適正化法」という。)第13条第3項の規定により読み替えて適用さ れる第24条の7第4項を含む。第4項において同じ。)、入札契約適正化法 第13条第1項若しくは第2項若しくは特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保 等に関する法律(平成十九年法律第66 号。以下この条において「履行確保 法」という。)第三条第六項、第四条第一項、第七条第二項、第八条第一項 若しくは第二項若しくは第十条の規定の規定に違反した場合においては、当 該建設業者に対して、必要な指示をすることができる。特定建設業者が第4 1条第2項又は第3項の規定による勧告に従わない場合において必要がある と認めるときも、同様とする。 一建設業者が建設工事を適切に施工しなかつたために公衆に危害を及ぼし たとき、又は危害を及ぼすおそれが大であるとき。 二建設業者が請負契約に関し不誠実な行為をしたとき。 三建設業者(建設業者が法人であるときは、当該法人又はその役員)又 は政令で定める使用人がその業務に関し他の法令(入札契約適正化法及び 履行確保法並びにこれらに基づく命令を除く。)に違反し、建設業者とし て不適当であると認められるとき。 四建設業者が第22条の規定に違反したとき。 五第26条第1項又は第2項に規定する主任技術者又は監理技術者が工事 の施工の管理について著しく不適当であり、かつ、その変更が公益上必要 であると認められるとき。 六建設業者が、第3条第1項の規定に違反して同項の許可を受けないで建 設業を営む者と下請契約を締結したとき。 七建設業者が、特定建設業者以外の建設業を営む者と下請代金の額が第3 条第1項第二号の政令で定める金額以上となる下請契約を締結したとき。 八建設業者が、情を知つて、第3項の規定により営業の停止を命ぜられて いる者又は第29条の4第1項の規定により営業を禁止されている者と当 該停止され、又は禁止されている営業の範囲に係る下請契約を締結したと き。 九履行確保法第3条第1項、第5条又は第7条第1項の規定に違反したと き。
2 都道府県知事は、その管轄する区域内で建設工事を施工している第3条第 1項の許可を受けないで建設業を営む者が次の各号のいずれかに該当する場合においては、当該建設業を営む者に対して、必要な指示をすることができ る。 一建設工事を適切に施工しなかつたために公衆に危害を及ぼしたとき、又 は危害を及ぼすおそれが大であるとき。 二請負契約に関し著しく不誠実な行為をしたとき。
3 国土交通大臣又は都道府県知事は、その許可を受けた建設業者が第1項各 号のいずれかに該当するとき若しくは同項若しくは次項の規定による指示に 従わないとき又は建設業を営む者が前項各号のいずれかに該当するとき若し くは同項の規定による指示に従わないときは、その者に対し、1年以内の期 間を定めて、その営業の全部又は一部の停止を命ずることができる。
4 都道府県知事は、国土交通大臣又は他の都道府県知事の許可を受けた建設 業者で当該都道府県の区域内において営業を行うものが、当該都道府県の区 域内における営業に関し、第1項各号のいずれかに該当する場合又はこの法 律の規定、入札契約適正化法第13条第1項若しくは第2項の規定若しくは 履行確保法第三条第六項、第四条第一項、第七条第二項、第八条第一項若し くは第二項若しくは第十条の規定に違反した場合においては、当該建設業者 に対して、必要な指示をすることができる。
5 都道府県知事は、国土交通大臣又は他の都道府県知事の許可を受けた建設 業者で当該都道府県の区域内において営業を行うものが、当該都道府県の区 域内における営業に関し、第1項各号のいずれかに該当するとき又は同項若 しくは前項の規定による指示に従わないときは、その者に対し、1年以内の 期間を定めて、当該営業の全部又は一部の停止を命ずることができる。
6 都道府県知事は、前2項の規定による処分をしたときは、遅滞なく、その 旨を、当該建設業者が国土交通大臣の許可を受けたものであるときは国土交 通大臣に報告し、当該建設業者が他の都道府県知事の許可を受けたものであ るときは当該他の都道府県知事に通知しなければならない。
7 国土交通大臣又は都道府県知事は、第1項第一号若しくは第三号に該当す る建設業者又は第2項第一号に該当する第3条第1項の許可を受けないで建 設業を営む者に対して指示をする場合において、特に必要があると認めると きは、注文者に対しても、適当な措置をとるべきことを勧告することができ る。
(帳簿の備付け等)
第40条の3 建設業者は、国土交通省令で定めるところにより、その営業所 ごとに、その営業に関する事項で国土交通省令で定めるものを記載した帳簿 を備え、かつ、当該帳簿及びその営業に関する図書で国土交通省令で定める ものを保存しなければならない。

【建設業法施行規則】
(帳簿の記載事項等)
第26条法第40条の3の国土交通省令で定める事項は、次のとおりとする。 一営業所の代表者の氏名及びその者が当該営業所の代表者となつた年月日 二注文者と締結した建設工事の請負契約に関する次に掲げる事項 イ請け負つた建設工事の名称及び工事現場の所在地 ロイの建設工事について注文者と請負契約を締結した年月日、当該注文者 (その法定代理人を含む。)の商号、名称又は氏名及び住所並びに当該注文 者が建設業者であるときは、その者の許可番号 ハイの建設工事の完成を確認するための検査が完了した年月日及び当該建 設工事の目的物の引渡しをした年月日 三発注者(宅地建物取引業法(昭和27 年法律第176 号)第2条第三号に規定 する宅地建物取引業者を除く。以下この号及び第28条において同じ。)と締 結した住宅を新築する建設工事の請負契約に関する次に掲げる事項 イ当該住宅の床面積 ロ当該住宅が特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律施行令(平 成19 年政令第395 号)第3条第1項の建設新築住宅であるときは、同項の 書面に記載された二以上の建設業者それぞれの建設瑕疵負担割合(同項に 規定する建設瑕疵負担割合をいう。以下この号において同じ。)の合計に対 する当該建設業者の建設瑕疵負担割合の割合 ハ当該住宅について、住宅瑕疵担保責任保険法人(特定住宅瑕疵担保責任 の履行の確保等に関する法律(平成19 年法律第66 号)第17 条第1項に規 定する住宅瑕疵担保責任保険法人をいう。)と住宅建設瑕疵担保責任保険契 約(同法第2条第5項に規定する住宅建設瑕疵担保責任保険契約をいう。) を締結し、保険証券又はこれに代わるべき書面を発注者に交付していると きは、当該住宅瑕疵担保責任保険法人の名称 四下請負人と締結した建設工事の下請契約に関する次に掲げる事項 イ下請負人に請け負わせた建設工事の名称及び工事現場の所在地 ロイの建設工事について下請負人と下請契約を締結した年月日、当該下請 負人(その法定代理人を含む。)の商号又は名称及び住所並びに当該下請負 人が建設業者であるときは、その者の許可番号 ハイの建設工事の完成を確認するための検査を完了した年月日及び当該建 設工事の目的物の引渡しを受けた年月日 ニロの下請契約が法第24条の5第1項に規定する下請契約であるとき は、当該下請契約に関する次に掲げる事項 (1) 支払つた下請代金の額、支払つた年月日及び支払手段
(2) 下請代金の全部又は一部の支払につき手形を交付したとき は、その手形の金額、手形を交付した年月日及び手形の満期
(3) 下請代金の一部を支払つたときは、その後の下請代金の残額 (4) 遅延利息を支払つたときは、その遅延利息の額及び遅延利息を支払 つた年月日 2 法第40条の3 に規定する帳簿には、次に掲げる書類を添付しなければならない。 一法第19条第1項及び第2項の規定による書面又はその写し 二前項第三号ロの下請契約が法第24条の5第1項に規定する下請契約である ときは、当該下請契約に関する同号ニ(1)に掲げる事項を証する書面又はその 写し 三前項第二号イの建設工事について施工体制台帳を作成しなければならないと きは、当該施工体制台帳のうち次に掲げる事項が記載された部分(第14条 の5第1項の規定により次に掲げる事項の記載が省略されているときは、当 該事項が記載された同項の書類を含む。) イ監理技術者の氏名及びその有する監理技術者資格並びに第14条の2第 1項第二号ヘに規定する者を置くときは、その者の氏名、その者が管理を つかさどる建設工事の内容及びその有する主任技術者資格 ロ当該建設工事の下請負人の商号又は名称及び当該下請負人が建設業者で あるときは、その者の許可番号 ハロの下請負人が請け負つた建設工事の内容及び工期 ニロの下請負人が置いた主任技術者の氏名及びその有する主任技術者資格 並びにロの下請負人が第14条の2第1項第四号ヘに規定する者を置くと きは、その者の氏名、その者が管理をつかさどる建設工事の内容及びその 有する主任技術者資格 3 第14条の7に規定する時までの間は、前項第三号に掲げる書類を法第40条 の3に規定する帳簿に添付することを要しない。 4 第2項の規定により添付された書類に第1項各号に掲げる事項が記載されてい るときは、同項の規定にかかわらず、法第40条の3に規定する帳簿の当該事項 を記載すべき箇所と当該書類との関係を明らかにして、当該事項の記載を省略す ることができる。 5 法第40条の3の国土交通省令で定める図書は、発注者から直接建設工事を請 け負つた建設業者(作成特定建設業者を除く。)にあつては第1号及び第2号に 掲げるもの又はその写し、作成特定建設業者にあつては第1号から第3号までに 掲げるもの又はその写しとする。 一建設工事の施工上の必要に応じて作成し、又は発注者から受領した完成図(建 設工事の目的物の完成時の状況を表した図をいう。) 二建設工事の施工上の必要に応じて作成した工事内容に関する発注者との打合 せ記録(請負契約の当事者が相互に交付したものに限る。) 三施工体系図
6 第1項各号に掲げる事項が電子計算機に備えられたファイル又は磁気ディスク 等に記録され、必要に応じ当該営業所において電子計算機その他の機器を用いて 明確に紙面に表示されるときは、当該記録をもつて法第40条の3に規定する帳 簿への記載に代えることができる。
7 法第19条第3項に規定する措置が講じられた場合にあつては、契約事項等が 電子計算機に備えられたファイル又は磁気ディスク等に記録され、必要に応じ当該営業所において電子計算機その他の機器を用いて明確に紙面に表示されるとき は、当該記録をもつて第2項第一号に規定する添付書類に代えることができる。
8 第5項各号に掲げる図書が電子計算機に備えられたファイル又は磁気ディスク 等に記録され、必要に応じ当該営業所において電子計算機その他の機器を用いて 明確に紙面に表示されるときは、当該記録をもつて同項各号の図書に代えること ができる。 (帳簿の記載方法等) 第27条前条第1項各号に掲げる事項の記載(同条第5項の規定による記録を 含む。次項において同じ。)及び同条第2項各号に掲げる書類の添付は、請け負 つた建設工事ごとに、それぞれの事項又は書類に係る事実が生じ、又は明らかに なつたとき(同条第1項第一号に掲げる事項にあつては、当該建設工事を請け負 つたとき)に、遅滞なく、当該事項又は書類について行わなければならない。
2 前条第1項各号に掲げる事項について変更があつたときは、遅滞なく、当該変 更があつた年月日を付記して変更後の当該事項を記載しなければならない。 (帳簿の保存期間) 第28条法第40条の3に規定する帳簿(第26条第5項の規定による記録が 行われた同項のファイル又は磁気ディスクを含む。)及び第26条第2項の規定 により添付された書類の保存期間は、請け負つた建設工事ごとに、当該建設工事 の目的物の引渡しをしたとき(当該建設工事について注文者と締結した請負契約 に基づく債権債務が消滅した場合にあつては、当該債権債務の消滅したとき)か ら5年間(発注者と締結した住宅を新築する建設工事に係るものにあつては、1 0年間)とする。
2 第26条第5項に規定する図書(同条第8項の規定による記録が行われた同項 のファイル又は磁気ディスクを含む。)の保存期間は、請け負つた建設工事ごと に、当該建設工事の目的物の引渡しをしたときから10年間とする。

「建設工事標準下請契約約款」 昭和52年4月26日 中央建設業審議会決定 最終改正平成22年7月26日 [注1]この約款は、第一次下請段階における標準的な工事請負契約を念頭において、下請段階に おける請負契約の標準的約款として作成されたものである。 [注2]個々の契約に当たっては、建設工事の種類、規模等に応じ契約の慣行又は施工の実態から みて必要があるときは、当該条項を削除し、又は変更するものとすること。この場合にお いて、契約における元請負人及び下請負人の対等性の確保、責任範囲その他契約内容の明 確化に留意すること。 建設工事下請契約書 1 工事名 2 工事場所 3 工期着工平成年月日 完成平成年月日 注工期は、下請負人の施工期間とすること。
4 請負代金額 (うち取引に係る消費税及び地方消費税の額) 注( )の部分は、下請負人が課税業者である場合に使用する。
5 請負代金の支払の時期及び方法 支払時期(額) (1) 前金払契約締結後日以内に現金・手形の別又は割合 万円 (2) 部分払〇月日締切現金・手形=〇・〇 翌月日支払 (3) 引渡し時請求後日以内手形期間日 の支払い 注労務費に見合う額については、原則として現金払とすること。 (2)部分払の〇には毎、隔等を記入する。
6 調停人 注元請負人及び下請負人が調停人を定めない場合には、削除する。
7 その他 注この工事が、建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(平成十二年法律第百四号)第九 条第一項に規定する対象建設工事の場合は、(1)解体工事に要する費用、(2)再資源化等に要する 費用、(3)分別解体等の方法、(4)再資源化等をする施設の名称及び所在地についてそれぞれ記入 する。 発注者〇〇による〇〇工事のうち、上記の工事について、元請負人及び下請負人は、 各々対等な立場における合意に基づき、別添の条項によってこの請負契約を締結し、 信義に従って誠実にこれを履行する。この契約の証として、本書〇通を作り、元請負 人及び下請負人(及び保証人)が記名押印して、各自一通を保有する。 平成年月日 元請負人住所氏名 (金銭保証人〃) 下請負人〃 (金銭保証人〃) 注( )は金銭保証人を立てる場合に使用する。 (総則) 第一条元請負人及び下請負人は、この約款(契約書を含む。以下同じ。)に基づ き、設計図書(別冊の図面、仕様書、現場説明書及び現場説明に対する質問回答 書をいう。以下同じ。)に従い、日本国の法令を遵守し、この契約(この約款及 び設計図書を内容とする工事の請負契約をいい、その内容を変更した場合を含む。 以下同じ。)を履行する。
2 この約款の各条項に基づく協議、承諾、通知、指示、請求等は、この約款に別 に定めるもののほか原則として、書面により行う。
3 元請負人は、下請負人に対し、建設業法(昭和二十四年法律第百号)その他工 事の施工、労働者の使用等に関する法令に基づき必要な指示、指導を行い、下請 負人はこれに従う。
4 労働災害補償保険の加入は〇が行う。 注〇は、「労働保険の保険料の徴収等に関する法律」(昭和四十四年法律第八十四号) に基づく加入の実情に合わせて記入する。 (請負代金内訳書及び工程表) 第二条下請負人は設計図書に基づく請負代金内訳書、工事計画書及び工程表を作 成し、契約締結後速やかに元請負人に提出して、その承認を受ける。 (関連工事との調整) 第三条元請負人は、契約書記載の工事(以下「この工事」という。)を含む元請 工事(元請負人と発注者との間の請負契約による工事をいう。)を円滑に完成す るため関連工事(元請工事のうちこの工事の施工上関連のある工事をいう。以下 この条において同じ。)との調整を図り、必要がある場合は、下請負人に対し て指示を行う。この場合においてこの工事の内容を変更し、又は工事の全部若し くは一部の施工を一時中止したときは、元請負人と下請負人とが協議して工期又 は請負代金額を変更できる。
2 下請負人は関連工事の施工者と緊密に連絡協調を図り、元請工事の円滑な完成 に協力する。 (契約保証人) 第四条金銭保証人は、当該金銭保証人を立てた元請負人又は下請負人の債務の不 履行により生ずる損害金の支払を行う。 注金銭保証人を立てる場合に使用する。 (権利義務の譲渡) 第五条元請負人及び下請負人は、相手方の書面による承諾を得なければ、この契 約により生ずる権利又は義務を第三者に譲渡し、又は承継させることはできない。 注承諾を行う場合としては、たとえば、下請負人が工事に係る請負代金債権を担保と して資金を借り入れようとする場合(下請負人が、「下請セーフティネット債務保証 – 47 – 事業」(平成十一年一月二十八日建設省経振発第八号)により資金を借り入れようと する等の場合)が該当する。 2 元請負人及び下請負人は、相手方の書面による承諾を得なければ、この契約の 目的物並びに検査済の工事材料及び建築設備の機器(いずれも製造工場等にある 製品を含む。以下同じ。)を第三者に譲渡し、若しくは貸与し、又は抵当権その 他の担保の目的に供することはできない。 (一括委任又は一括下請負の禁止) 第六条下請負人は、一括してこの工事の全部又は一部を第三者に委任し又は請け 負わせてはならない。ただし、公共工事及び共同住宅の新築工事以外の工事で、 かつ、あらかじめ発注者及び元請負人の書面による承諾を得た場合は、この限り でない。 (関係事項の通知) 第七条下請負人は、元請負人に対して、この工事に関し、次の各号に掲げる事項 をこの契約締結後遅滞なく書面をもって通知する。 一現場代理人及び主任技術者の氏名 二雇用管理責任者の氏名 三安全管理者の氏名 四工事現場において使用する一日当たり平均作業員数 五工事現場において使用する作業員に対する賃金支払の方法 六その他元請負人が工事の適正な施工を確保するため必要と認めて指示する事 項 2 下請負人は、元請負人に対して、前項各号に掲げる事項について変更があった ときは、遅滞なく書面をもってその旨を通知する。 (下請負人の関係事項の通知) 第八条下請負人がこの工事の全部又は一部を第三者に委任し、又は請け負わせた 場合、下請負人は、元請負人に対して、その契約(その契約に係る工事が数次の 契約によって行われるときは、次のすべての契約を含む。)に関し、次の各号に 掲げる事項を遅滞なく書面をもって通知する。 一受任者又は請負者の氏名及び住所(法人であるときは、名称及び工事を担当 する営業所の所在地) 二建設業の許可番号 三現場代理人及び主任技術者の氏名 四雇用管理責任者の氏名 五安全管理者の氏名 六工事の種類及び内容 七工期 八受任者又は請負者が工事現場において使用する一日当たり平均作業員数 – 48 – 九受任者又は請負者が工事現場において使用する作業員に対する賃金支払の方 法 十その他元請負人が工事の適正な施工を確保するため必要と認めて指示する事 項 2 下請負人は、元請負人に対して、前項各号に掲げる事項について変更があった ときは、遅滞なく書面をもってその旨を通知する。 (監督員) 第九条元請負人は、監督員を定めたときは、書面をもってその氏名を下請負人に 通知する。
2 監督員は、この約款の他の条項に定めるもの及びこの約款に基づく元請負人の 権限とされる事項のうち、元請負人が必要と認めて監督員に委任したもののほか、 設計図書で定めるところにより、次に掲げる権限を有する。 一契約の履行についての下請負人又は下請負人の現場代理人に対する指示、 承諾又は協議 二設計図書に基づく工事の施工のための詳細図等の作成及び交付又は下請負 人が作成したこれらの図書の承諾 三設計図書に基づく工程の管理、立会い、工事の施工の状況の検査又は工事 材料の試験若しくは検査
3 元請負人は、監督員にこの約款に基づく元請負人の権限の一部を委任したとき はその委任した権限の内容を、二名以上の監督員を置き前項の権限を分担させた ときは、それぞれの監督員の有する権限の内容を、書面をもって下請負人に通知 する。 4 元請負人が第一項の監督員を定めないときは、この約款に定められた監督員の 権限は、元請負人が行う。 (現場代理人及び主任技術者) 第十条現場代理人は、この契約の履行に関し、工事現場に常駐し、その運営、取 締りを行うほか、この約款に基づく下請負人の一切の権限(請負代金額の変更、 請負代金の請求及び受領、工事関係者に関する措置請求並びにこの契約の解除に 係るものを除く。)を行使する。ただし、現場代理人の権限については、下請負 人が特別に委任し、又は制限したときは、元請負人の承諾を要する。 2 元請負人は、前項の規定にかかわらず、現場代理人の工事現場における運営、 取締り及び権限の行使に支障がなく、かつ、元請負人との連絡体制が確保される と認めた場合には、現場代理人について工事現場における常駐を要しないことと することができる。

3 主任技術者は工事現場における工事施工の技術上の管理をつかさどる。 4 現場代理人と主任技術者とはこれを兼ねることができる。
(工事関係者に関する措置請求)
第十一条元請負人は、現場代理人、主任技術者、その他下請負人が工事を施工す るために使用している請負者、作業員等で、工事の施工又は管理につき著しく不 適当と認められるものがあるときは、下請負人に対して、その理由を明示した書 面をもって、必要な措置をとるべきことを求めることができる。
2 下請負人は、監督員がその職務の執行につき著しく不適当と認められるときは、 元請負人に対してその理由を明示した書面をもって、必要な措置をとるべきこと を求めることができる。
3 元請負人又は下請負人は、前二項の規定による請求があったときは、その請求 に係る事項について決定し、その結果を相手方に通知する。
(工事材料の品質及び検査)
第十二条工事材料につき設計図書にその品質が明示されていないものは、中等の 品質を有するものとする。
2 下請負人は、工事材料については、使用前に監督員の検査に合格したものを使 用する。
3 監督員は、下請負人から前項の検査を求められたときは、遅滞なくこれに応ず る。
4 下請負人は、工事現場内に搬入した工事材料を監督員の承諾を受けないで工事 現場外に搬出しない。
5 下請負人は、前項の規定にかかわらず、検査の結果不合格と決定された工事材 料については遅滞なく工事現場外に搬出する。 6 前四項の規定は、建設機械器具についても準用する。
(監督員の立会い及び工事記録の整備)
第十三条下請負人は、調合を要する工事材料については、監督員の立会いを受け て調合し、又は見本検査に合格したものを使用する。
2 下請負人は、水中の工事又は地下に埋設する工事その他施工後外面から明視す ることのできない工事については、監督員の立会いを受けて施工する。
3 監督員は下請負人から前二項の立会い又は見本検査を求められたときは、遅滞 なくこれに応ずる。
4 下請負人は、設計図書において見本又は工事写真等の記録を整備すべきものと 指定された工事材料の調合又は工事の施工をするときは、設計図書で定めるとこ ろによりその見本又は工事写真等の記録を整備し、監督員の要求があったときは、 遅滞なくこれを提出する。
(支給材料及び貸与品)
第十四条元請負人から下請負人への支給材料及び貸与品の品名、数量、品質、規 格、性能、引渡し場所、引渡し時期、返還場所又は返還時期は、設計図書に定め るところによる。
2 工程の変更により引渡し時期及び返還時期を変更する必要があると認められるときは、元請負人と下請負人とが協議して、これを変更する。この場合において、 必要があると認められるときは、工期又は請負代金額を変更する。
3 監督員は、支給材料及び貸与品を、下請負人の立会いの上検査して引き渡す。 この場合において、下請負人は、その品質、規格又は性能が設計図書の定めと異 なり、又は使用に適当でないと認めたときは、遅滞なくその旨を書面をもって元 請負人又は監督員に通知する。
4 元請負人は、下請負人から前項後段の規定による通知(監督員に対する通知を 含む。)を受けた場合において、必要があると認めるときは、設計図書で定める 品質、規格若しくは性能を有する他の支給材料若しくは貸与品を引渡し、又は支 給材料若しくは貸与品の品質、規格等の変更を行うことができる。この場合にお いて、必要があると認められるときは、元請負人と下請負人とが協議して、工期 又は請負代金額を変更する。
5 下請負人は、支給材料及び貸与品を善良な管理者の注意をもって、使用及び保 管し、下請負人の故意又は過失によって支給材料又は貸与品が滅失若しくはき損 し、又はその返還が不可能となったときは、元請負人の指定した期間内に原状に 復し、若しくは代品を納め、又はその損害を賠償する。
6 下請負人は、支給材料又は貸与品の引渡しを受けた後第三項の検査により発見 することが困難であった隠れた瑕疵があり、使用に適当でないと認められるとき は、遅滞なく監督員にその旨を通知する。この場合においては、第四項の規定を 準用する。
(設計図書不適合の場合の改造義務)
第十五条下請負人は、工事の施工が設計図書に適合しない場合において、監督員 がその改造を請求したときは、これに従う。ただし、その不適合が監督員の指示 による等元請負人の責めに帰すべき理由によるときは、改造に要する費用は元請 負人が負担する。この場合において、必要があると認められるときは、元請負人 と下請負人とが協議して、工期を変更する。
(条件変更等)
第十六条下請負人は、工事の施工に当たり、次の各号のいずれかに該当する事実 を発見したときは、直ちに書面をもってその旨を監督員に通知し、その確認を求 める。 一設計図書と工事現場の状態とが一致しないこと。 二設計図書の表示が明確でないこと(図面と仕様書が交互符合しないこと及び 設計図書に誤謬又は脱漏があることを含む。)。 三工事現場の地質、湧水等の状態、施工上の制約等設計図書に示された自然的 又は人為的な施工条件が実際と相違すること。 四設計図書で明示されていない施工条件について予期することのできない特別 の状態が生じたこと。
2 監督員は、前項の確認を求められたとき又は自ら同項各号に掲げる事実を発見したときは、直ちに調査を行い、その結果(これに対してとるべき措置を指示す る必要があるときは、その指示を含む。)を書面をもって下請負人に通知する。
3 第一項各号に掲げる事実が元請負人と下請負人との間において確認された場合 において、必要があると認められるときは、設計図書を訂正し、又は工事内容、 工期若しくは請負代金額を変更する。この場合において、工期又は請負代金額の 変更については、元請負人と下請負人とが協議して定める。 (工事の変更及び中止等) 第十七条元請負人は、必要があると認めるときは、書面をもって下請負人に通知 し、工事内容を変更し、又は工事の全部若しくは一部の施工を一時中止させるこ とができる。この場合において、必要があると認められるときは、元請負人と下 請負人とが協議して、工期又は請負代金額を変更する。 2 工事用地等の確保ができない等のため又は天災その他の不可抗力により工事目 的物等に損害を生じ若しくは工事現場の状態が変動したため、下請負人が工事を 施工できないと認められるときは、元請負人は、工事の全部又は一部の施工を中 止させる。この場合において、必要があると認められるときは、元請負人と下請 負人とが協議して、工期又は請負代金額を変更する。
3 元請負人は、前二項の場合において、下請負人が工事の続行に備え工事現場を 維持し、若しくは作業員、建設機械器具等を保持するための費用その他の工事の 施工の一時中止に伴う増加費用を必要とし、又は下請負人に損害を及ぼしたとき は、その増加費用を負担し、又はその損害を賠償する。この場合における負担額 又は賠償額は、元請負人と下請負人とが協議して定める。 (下請負人の請求による工期の延長) 第十八条下請負人は、天候の不良等その責めに帰することができない理由その他 の正当な理由により工期内に工事を完成することができないときは、元請負人に 対して、遅滞なくその理由を明らかにした書面をもって工期の延長を求めること ができる。この場合における延長日数は、元請負人と下請負人とが協議して定め る。
2 前項の規定により工期を延長する場合において、必要があると認められるとき は、元請負人と下請負人とが協議して請負代金額を変更する。 (元請負人の請求による工期の短縮等) 第十九条元請負人は、特別の理由により工期を短縮する必要があるときは、下請 負人に対して書面をもって工期の短縮を求めることができる。この場合における 短縮日数は、元請負人と下請負人とが協議して定める。
2 この約款の他の条項の規定により工期を延長すべき場合において、特別の理由 があるときは、元請負人と下請負人とが協議の上通常必要とされる工期の延長を 行わないことができる。
3 前二項の場合において、必要があると認められるときは、元請負人と下請負人とが協議して請負代金額を変更する。 (賃金又は物価の変動に基づく請負代金額の変更) 第二十条工期内に賃金又は物価の変動により請負代金額が不適当となり、これを 変更する必要があると認められるときは、元請負人と下請負人とが協議して請負 代金額を変更する。 2 元請負人と発注者との間の請負契約において、この工事を含む元請工事の部分 について、賃金又は物価の変動を理由にして請負代金額が変更されたときは、元 請負人又は下請負人は、相手方に対し、前項の協議を求めることができる。 (臨機の措置) 第二十一条下請負人は、災害防止等のため必要があると認められるときは、元請 負人に協力して臨機の措置をとる。
2 下請負人が前項の規定により臨機の措置をとった場合において、その措置に要 した費用のうち、下請負人が請負代金額の範囲内において負担することが適当で ないと認められる部分については、元請負人がこれを負担する。この場合におけ る元請負人の負担額は、元請負人と下請負人とが協議して定める。
(一般的損害)
第二十二条工事目的物の引渡し前に、工事目的物又は工事材料について生じた損 害その他工事の施工に関して生じた損害(この契約において別に定める損害を除 く。)は、下請負人の負担とする。ただし、その損害のうち元請負人の責めに帰 すべき理由により生じたものについては、元請負人がこれを負担する。
(第三者に及ぼした損害)
第二十三条この工事の施工について第三者(この工事に関係する他の工事の請負 人等を含む。以下この条において同じ。)に損害を及ぼしたときは、下請負人が その損害を負担する。ただし、その損害のうち元請負人の責めに帰すべき理由に より生じたもの及び工事の施工に伴い通常避けることができない事象により生じ たものについては、この限りでない。
2 前項の場合その他工事の施工について第三者との間に紛争を生じた場合におい ては、元請負人及び下請負人が協力してその処理解決に当たる。 (天災その他不可抗力による損害) 第二十四条天災その他不可抗力によって、工事の出来形部分、現場の工事仮設物、 現場搬入済の工事材料又は建設機械器具(いずれも元請負人が確認したものに限 る。)に損害を生じたときは、下請負人が善良な管理者の注意を怠ったことに基 づく部分を除き、元請負人がこれを負担する。
2 損害額は、次の各号に掲げる損害につき、それぞれ当該各号に定めるところに より、元請負人と下請負人とが協議して定める。 一工事の出来形部分に関する損害 損害を受けた出来形部分に相応する請負代金額とし、残存価値がある場合に はその評価額を差し引いた額とする。 二工事材料に関する損害 損害を受けた工事材料に相応する請負代金額とし、残存価値がある場合には その評価額を差し引いた額とする。 三工事仮設物又は建設機械器具に関する損害 損害を受けた工事仮設物又は建設機械器具について、この工事で償却するこ ととしている償却費の額から損害を受けた時点における出来形部分に相応する 償却費の額を差し引いた額とする。ただし、修繕によりその機能を回復するこ とができ、かつ、修繕費の額が上記の額より少額であるものについては、その 修繕費の額とする。
3 第一項の規定により、元請負人が損害を負担する場合において、保険その他損 害をてん補するものがあるときは、その額を損害額から控除する。
4 天災その他の不可抗力によって生じた損害の取片付けに要する費用は、元請負 人がこれを負担する。この場合における負担額は、元請負人と下請負人とが協議 して定める。 (検査及び引渡し) 第二十五条下請負人は、工事が完成したときは、その旨を書面をもって元請負人 に通知する。
2 元請負人は、前項の通知を受けたときは、遅滞なく下請負人の立会いの上工事 の完成を確認するための検査を行う。この場合、元請負人は、当該検査の結果を 書面をもって下請負人に通知する。 3 元請負人は、前項の検査によって工事の完成を確認した後、下請負人が書面を もって引渡しを申し出たときは、直ちに工事目的物の引渡しを受ける。 4 元請負人は、下請負人が前項の申出を行わないときは、請負代金の支払の完了 と同時に工事目的物の引渡しを求めることができる。この場合においては、下請 負人は、直ちにその引渡しをする。 5 下請負人は、工事が第二項の検査に合格しないときは、遅滞なくこれを修補し て元請負人の検査を受ける。この場合においては、修補の完了を工事の完成とみ なして前四項の規定を適用する。 6 下請負人が第三項の引渡しを申し出たにもかかわらず元請負人が受けないとき は、引渡しまでに要する費用は元請負人が負担する。
(部分使用)
第二十六条元請負人は、前条第三項の規定による引渡し前においても、工事目的 物の全部又は一部を下請負人の同意を得て使用することができる。
2 前項の場合においては、元請負人は、その使用部分を善良な管理者の注意をも って使用する。3 元請負人は、第一項の規定による使用により、下請負人に損害を及ぼし、又は 下請負人の費用が増加したときは、その損害を賠償し、又は増加費用を負担する。 この場合における賠償額又は負担額は、元請負人と下請負人とが協議して定める。
(部分引渡し)
第二十七条工事目的物について、元請負人が設計図書において工事の完成に先だ って引渡しを受けるべきことを指定した部分(以下「指定部分」という。)があ る場合において、その部分の工事が完了したときは、第二十五条(検査及び引渡 し)中「工事」とあるのは「指定部分に係る工事」と、第三十一条(引渡し時の 支払い)中「請負代金」とあるのは「指定部分に相応する請負代金」と読み替え て、これらの規定を準用する。 (請負代金の支払方法及び時期) 第二十八条この契約に基づく請負代金の支払方法及び時期については、契約書の 定めるところによる。
2 元請負人は、契約書の定めにかかわらず、やむを得ない場合には、下請負人の 同意を得て請負代金支払いの時期又は支払方法を変更することができる。 3 前項の場合において、元請負人は下請負人が負担した費用又は下請負人が被っ た損害を賠償する。 (前金払) 第二十九条下請負人は、契約書の定めるところにより元請負人に対して請負代金 についての前払を請求することができる。
(部分払)
第三十条下請負人は、出来形部分並びに工事現場に搬入した工事材料〔及び製造 工場等にある工場製品〕(監督員の検査に合格したものに限る。)に相応する請負 代金相当額の十分の〇以内の額について、契約書の定めるところにより、その部 分払を請求することができる。 注部分払の対象とすべき工場製品がないときは〔〕の部分を削除する。(第二項につ いても同じ。) 〇は九以上の数字を記入する。(第四項についても同じ。)
2 下請負人は部分払を請求しようとするときは、あらかじめ、その請求に係る工 事の出来形部分、工事現場に搬入した工事材料〔又は製造工場等にある工場製品〕 の確認を求める。この場合において、元請負人は、その確認を行い、その結果を 下請負人に通知する。
3 元請負人は、第一項の規定による請求を受けたときは、契約書の定めるところ により部分払を行う。
4 前払金の支払いを受けている場合においては、第一項の請求額は次の式によっ て算出する。 請求額=第一項の請負代金相当額×((請負代金額-受領済前払金額)/請負 代金額)×(〇/ 10)
5 第三項の規定により部分払金の支払いがあった後、再度部分払の請求をする場 合においては、第一項及び前項中「請負代金相当額」とあるのは「請負代金相当 額から既に部分払の対象となった請負代金相当額を控除した額」とする。
(引渡し時の支払い)
第三十一条下請負人は、第二十五条(検査及び引渡し)第二項の検査に合格した ときは、引渡しと同時に書面をもって請負代金の支払いを請求することができる。
2 元請負人は、前項の規定による請求を受けたときは、契約書の定めるところに より、請負代金を支払う。 (部分払金等の不払に対する下請負人の工事中止) 第三十二条下請負人は、元請負人が前払金又は部分払金の支払いを遅延し、相当 の期間を定めてその支払いを求めたにもかかわらず支払いをしないときは、工事 の全部又は一部の施工を一時中止することができる。この場合において、下請負 人は、遅滞なくその理由を明示した書面をもってその旨を元請負人に通知する。

第十七条(工事の変更及び中止等)第三項の規定は、前項の規定により下請負 人が工事の施工を中止した場合について準用する。
(瑕疵担保)
第三十三条(a) 工事目的物に瑕疵があるときは、元請負人は、下請負人に対し て相当の期間を定めてその瑕疵の修補を請求し、又は修補に代え若しくは修補と ともに損害の賠償を請求することができる。ただし、瑕疵が重要ではなく、かつ、 その修補に過分の費用を要するときは、元請負人は、修補を請求することができ ない。 注(a)又は(b)を選択して使用する。 2 前項の規定による瑕疵の修補又は損害賠償を請求することができる期間は、第 二十五条(検査及び引渡し)第三項(第二十七条(部分引渡し)において準用す る場合を含む。)の規定による引渡しを受けた日から〇年以内とする。ただし、 その瑕疵が下請負人の故意又は重大な過失によって生じた場合は、当該請求をす ることのできる期間は〇年とする。 注〇の部分には原則として元請契約における瑕疵担保責任の期限に相応する数字を記 入する。
3 この契約が、住宅の品質確保の促進等に関する法律(平成十一年法律第八十一 号)第九十四条第一項に規定する住宅新築請負契約である場合には、工事目的物 のうち住宅の品質確保の促進等に関する法律施行令(平成十二年政令第六十四号) 第五条に定める部分の瑕疵(構造耐力又は雨水の浸入に影響のないものを除く。) について修補又は損害賠償の請求を行うことのできる期間は、十年とする。
4 工事目的物が第一項の瑕疵により滅失又はき損したときは、元請負人は、前二項に定める期間内で、かつ、その滅失又はき損の日から六月以内に限り、第一項 の権利を行使することができる。
5 第一項の規定は、工事目的物の瑕疵が支給材料の性質又は元請負人若しくは監 督員の指示等により生じたものであるときは、これを適用しない。 第三十三条(b) 工事目的物に瑕疵があり、その瑕疵が下請負人の責めに帰すべき 理由により生じたものであるときは、元請負人は、下請負人に対して相当の期間 を定めてその瑕疵の修補(工事目的物の範囲に限る。)を請求し、又は修補に代 え若しくは修補とともに損害の賠償(工事目的物の範囲に限る。)を請求するこ とができる。ただし、瑕疵が重要でなく、かつ、その修補に過分の費用を要する ときは、元請負人は、修補を請求することができない。 注(a)又は(b)を選択して使用する。 2 前項の規定による瑕疵の修補又は損害賠償を請求することができる期間は、第 二十五条(検査及び引渡し)第三項(第二十七条(部分引渡し)において準用す る場合を含む。)の規定による引渡しを受けた日から〇年以内とする。ただし、 その瑕疵が下請負人の故意又は重大な過失によって生じた場合は、当該請求をす ることのできる期間は〇年とする。 注〇の部分に原則として元請契約における瑕疵担保責任の期限に相応する数字を記入 する。
3 この契約が、住宅の品質確保の促進等に関する法律(平成十一年法律第八十一 号)第九十四条第一項に規定する住宅新築請負契約である場合には、工事目的物 のうち住宅の品質確保の促進等に関する法律施行令(平成十二年政令第六十四号) 第五条に定める部分の瑕疵(構造耐力又は雨水の浸入に影響のないものを除く。) について修補又は損害賠償の請求を行うことのできる期間は、十年とする。
4 工事目的物が第一項の瑕疵により滅失又はき損したときは、元請負人は、前二 項に定める期間内で、かつ、その滅失又はき損の日から六月以内に限り、第一項 の権利を行使することができる。 (履行遅滞の場合における損害金) 第三十四条下請負人の責めに帰すべき理由により工期内に工事を完成することが できない場合において、工期経過後相当の期間内に完成する見込みのあるときは、 元請負人は、下請負人から損害金を徴収して工期を延長することができる。
2 前項の損害金の額は、請負代金額から出来形部分に相当する請負代金額を控除 した額につき、遅延日数に応じ、年〇パーセントの割合で計算した額とする。
3 元請負人の責めに帰すべき理由により、第二十九条(前金払)、第三十条(部分払)第三項又は第三十一条(引渡し時の支払い)第二項(第二十七条(部分引 渡し)において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定による 請負代金の支払いが遅れた場合においては、下請負人は、未受領金額につき、遅 延日数に応じ、第二十九条の規定による請負代金にあっては年〇パーセント、第 三十条第三項又は第三十一条第二項の規定による請負代金にあっては年〇パーセ ントの割合で計算した額の遅延利息の支払いを元請負人に請求することができる。
(元請負人の解除権)
第三十五条元請負人は、下請負人が次の各号のいずれかに該当するときは、この 契約を解除することができる。
一正当な理由がないのに、工事に着手すべき時期を過ぎても、工事に着手しな いとき。
二その責めに帰すべき理由により工期内又は工期経過後相当期間内に工事を完 成する見込がないと明らかに認められるとき。 三前二号に掲げる場合のほか、この契約に違反し、その違反によりこの契約の 目的を達することができないと認められるとき。
四第三十七条
(下請負人の解除権)第一項の規定によらないでこの契約の解除 を申し出たとき。 2 元請負人は、前項の規定によりこの契約を解除したときは、工事の出来形部分 及び部分払の対象となった工事材料の引渡しを受ける。ただし、その出来形部分 が設計図書に適合しない場合は、その引渡しを受けないことができる。
3 元請負人は前項の引渡しを受けたときは、その引渡しを受けた出来形部分及び 工事材料に相応する請負代金を下請負人に支払う。
4 前項の場合において、第二十九条(前金払)の規定による前払金があったとき は、その前払金の額(第三十条(部分払)の規定による部分払をしているときは、 その部分払において償却した前払金の額を控除した額)を同項の出来形部分及び 工事材料に相応する請負代金額から控除する。この場合において、受領済みの前 払金額になお余剰があるときは、下請負人は、その余剰額に前払金の支払の日か ら返還の日までの日数に応じ、年〇パーセントの割合で計算した額の利息を付し て元請負人に返還する。
5 元請負人は、第一項の規定によりこの契約を解除した場合において、下請負人 に対してその解除により生じた損害の賠償を求めることができる。この場合にお ける賠償額は、元請負人と下請負人とが協議して定める。 第三十六条元請負人は、工事が完成しない間は、前条第一項に規定する場合のほ か必要があるときは、この契約を解除することができる。
2 前条第二項から第四項までの規定は、前項の規定によりこの契約を解除した場 合に準用する。ただし、同条第四項の規定のうち利息に関する部分は、準用しな い。
3 元請負人は、第一項の規定によりこの契約を解除した場合において、これによ り下請負人に損害を及ぼしたときは、その損害を賠償する。この場合における賠 償額は、元請負人と下請負人とが協議して定める。
(下請負人の解除権)
第三十七条下請負人は、次の各号のいずれかに該当する理由のあるときは、この契約を解除することができる。

一第十七条(工事の変更及び中止等)第一項の規定により工事内容を変更した ため請負代金額が十分の〇以上減少したとき。 注〇の部分には、たとえば、六と記入する。 二第十七条第一項の規定による工事の施工の中止期間の〇を超えたとき。ただ し、中止が工事の一部のみの場合は、その一部を除いた他の部分の工事が完了 した後〇月を経過しても、なおその中止が解除されないとき。 注ただし書き以外の部分の〇には、たとえば工期の二分の一の期間又は六カ月のいず れか短い期間を、ただし書きの〇には、たとえば三と記入する。 三元請負人がこの契約に違反し、その違反によって工事を完成することが困難 となったとき。 四元請負人が請負代金の支払い能力を欠くと認められるとき。
2 第三十五条(元請負人の解除権)第二項から第四項までの規定は、前項の規定 によりこの契約が解除された場合に準用する。ただし、同条第四項の規定のうち 利息に関する部分は、準用しない。
3 下請負人は、第一項の規定により、この契約を解除した場合において、これに より損害を受けたときは、その損害の賠償を元請負人に対して請求することがで きる。この場合における賠償額は、元請負人と下請負人とが協議して定める。 (解除に伴う措置) 第三十八条この契約が解除された場合においては、元請負人及び下請負人は前三 条によるほか、相手方を原状に回復する。 (紛争の解決) 第三十九条(A) この約款の各条項において元請負人と下請負人とが協議して定 めるものにつき協議が整わない場合その他この契約に関して元請負人と下請負人 との間に紛争を生じた場合には、契約書記載の調停人又は建設業法による建設工 事紛争審査会(以下「審査会」という。)のあっせん又は調停により解決を図る。 2 元請負人又は下請負人は、前項のあっせん又は調停により紛争を解決する見込 みがないと認めたときは、同項の規定にかかわらず、仲裁合意書に基づき、審査 会の仲裁に付し、その仲裁判断に服する。 3 元請負人又は下請負人は、申し出により、この約款の各条項の規定により行う 元請負人と下請負人との間の協議に第一項の調停人を立ち会わせ、当該協議が円 滑に整うよう必要な助言又は意見を求めることができる。
4 前項の規定により調停人の立会いのもとで行われた協議が整わなかったときに 元請負人が定めたものに下請負人が不服がある場合で、元請負人又は下請負人の 一方又は双方が第一項の調停人のあっせん又は調停により紛争を解決する見込み がないと認めたときは、同項の規定にかかわらず、元請負人及び下請負人は、審 査会のあっせん又は調停によりその解決を図る。 注第三項及び第四項は、調停人を協議に参加させない場合には、削除する。 第三十九条(B) この約款の各条項において元請負人と下請負人とが協議して定 めるものにつき協議が整わない場合その他この契約に関して元請負人と下請負人 との間に紛争を生じた場合には、建設業法による建設工事紛争審査会(以下「審 査会」という。)のあっせん又は調停により解決を図る。
2 元請負人又は下請負人は、前項のあっせん又は調停により紛争を解決する見込 みがないと認めたときは、同項の規定にかかわらず、仲裁合意書に基づき、審査 会の仲裁に付し、その仲裁判断に服する。 注(B)は、あらかじめ調停人を選任せず、建設業法による建設工事紛争審査会によ り紛争の解決を図る場合に使用する。

(情報通信の技術を利用する方法)
第四十条この約款において書面により行わなければならないこととされている承 諾、通知、請求等は、建設業法その他の法令に違反していない限りにおいて、電 子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法を用いて 行うことができる。ただし、当該方法は書面の交付に準ずるものでなければなら ない。 (補則) 第四十一条この約款に定めのない事項については、必要に応じ元請負人と下請負 人とが協議して定める。
〔別添〕 [裏面参照の上建設工事紛争審査会の仲裁に付することに合意する場合に使用する。] 仲裁合意書 工事名 工事場所 平成年月日に締結した上記建設工事の請負契約に関する 紛争については、元請負人及び下請負人は、建設業法に規定する下記の建設工 事紛争審査会の仲裁に付し、その仲裁判断に服する。 管轄審査会名建設工事紛争審査会 管轄審査会名が記入されていない場合は建設業法第二十五条の九第 一項又は第二項に定める建設工事紛争審査会を管轄審査会とする。 平成年月日 発注者印 受注者印 〔裏面〕 仲裁合意書について
(一) 仲裁合意について 仲裁合意とは、裁判所への訴訟に代えて、紛争の解決を仲裁人に委ねること を約する当事者間の契約である。 仲裁手続によってなされる仲裁判断は、裁判上の確定判決と同一の効力を有 し、たとえその仲裁判断の内容に不服があっても、その内容を裁判所で争うこ とはできない。 ただし、消費者である発注者は、請負者との間に成立した仲裁合意を解除す ることができる。また、事業者の申立てによる仲裁手続の第一回口頭審理期日 において、消費者(発注者)である当事者が出頭せず、又は解除権を放棄する 旨の意思を明示しないときは、仲裁合意を解除したものとみなされる。
(二) 建設工事紛争審査会について 建設工事紛争審査会(以下「審査会」という。)は、建設工事の請負契約に 関する紛争の解決を図るため建設業法に基づいて設置されており、同法の規定 により、あっせん、調停及び仲裁を行う権限を有している。また、中央建設工 事紛争審査会(以下「中央審査会」という。)は、国土交通省に、都道府県建 設工事紛争審査会(以下「都道府県審査会」という。)は各都道府県にそれぞ れ設置されている。審査会の管轄は、原則として、下請負人が国土交通大臣の 許可を受けた建設業者であるときは中央審査会、都道府県知事の許可を受けた 建設業者であるときは当該都道府県審査会であるが、当事者の合意によって管 轄審査会を定めることもできる。 審査会による仲裁は、三人の仲裁委員が行い、仲裁委員は、審査会の委員又 は特別委員のうちから当事者が合意によって選定した者につき、審査会の会長 が指名する。また、仲裁委員のうち少なくとも一人は、弁護士法の規定により 弁護士となる資格を有する者である。 なお、審査会における仲裁手続は、建設業法に特別の定めがある場合を除き、 仲裁法の規定が適用される。
「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」(抄) (昭和22年4月14日法律第54号)
第5章不公正な取引方法
第19条
事業者は、不公正な取引方法を用いてはならない。 「建設業の下請取引に関する不公正な取引方法の認定基準」 (昭和47年4月1日公正取引委員会事務局長通達第4号) (改正平成13年1月4日公正取引委員会事務総長通達第3号) 今般、別記のとおり「建設業の下請取引に関する不公正な取引方法の認定基準」 を定めたので、今後、建設業における下請代金の支払遅延等に対する独占禁止法 の適用については、この認定基準により処理されたい。 なお、この認定基準の運用にあたつては、別紙の諸点に留意されたい。 記 建設業の下請取引に関する不公正な取引方法の認定基準 建設業の下請取引において、元請負人が行なう次に掲げる行為は不公正な取引 方法に該当するものとして取扱うものとする。 1 下請負人からその請け負つた建設工事が完了した旨の通知を受けたときに、 正当な理由がないのに、当該通知を受けた日から起算して20日以内に、その 完成を確認するための検査を完了しないこと。 2 前記1の検査によつて建設工事の完成を確認した後、下請負人が申し出た場 合に、下請契約において定められた工事完成の時期から20日を経過した日以 前の一定の日に引渡しを受ける旨の特約がなされているときを除き、正当な理 由がないのに、直ちに、当該建設工事の目的物の引渡しを受けないこと。 3 請負代金の出来形部分に対する支払又は工事完成後における支払を受けたと きに、当該支払の対象となつた建設工事を施工した下請負人に対して、当該元 請負人が支払を受けた金額の出来形に対する割合及び当該下請負人が施工した 出来形部分に相応する下請代金を、正当な理由がないのに、当該支払を受けた 日から起算して1月以内に支払わないこと。
4 特定建設業者が注文者となつた下請契約(下請契約における請負人が特定建 設業者又は資本金額が1千万円以上の法人であるものを除く。後記5において も同じ。)における下請代金を、正当な理由がないのに、前記2の申し出の日 (特約がなされている場合は、その一定の日。)から起算して50日以内に支 払わないこと。
5 特定建設業者が注文者となつた下請契約に係る下請代金の支払につき、前記 2の申し出の日から起算して50日以内に、一般の金融機関(預金又は貯金の 受入れ及び資金の融通を業とするものをいう。)による割引を受けることが困 難であると認められる手形を交付することによつて、下請負人の利益を不当に害すること。
6 自己の取引上の地位を不当に利用して、注文した建設工事を施工するために 通常必要と認められる原価に満たない金額を請負代金の額とする下請契約を締 結すること。
7 下請契約の締結後、正当な理由がないのに、下請代金の額を減ずること。
8 下請契約の締結後、自己の取引上の地位を不当に利用して、注文した建設工 事に使用する資材若しくは機械器具又はこれらの購入先を指定し、これらを下 請負人に購入させることによつて、その利益を害すること。
9 注文した建設工事に必要な資材を自己から購入させた場合に、正当な理由が ないのに、当該資材を用いる建設工事に対する下請代金の支払期日より早い時 期に、支払うべき下請代金の額から当該資材の対価の全部若しくは一部を控除 し、又は当該資材の対価の全部若しくは一部を支払わせることによつて、下請 負人の利益を不当に害すること。
10 元請負人が前記1から9までに掲げる行為をしている場合又は行為をした場 合に、下請負人がその事実を公正取引委員会、国土交通大臣、中小企業庁長官 又は都道府県知事に知らせたことを理由として、下請負人に対し、取引の量を 減じ、取引を停止し、その他不利益な取扱いをすること。 〔備考〕この認定基準において使用する用語の意義については、次のとおり とする。
1 「建設工事」とは、土木建築に関する工事で建設業法(昭和24年 法律第100 号)第2条第1項別表の上欄に掲げるものをいう。
2 「建設業」とは、元請、下請その他いかなる名義をもつてするかを 問わず、建設工事の完成を請け負う営業をいう。
3 「下請契約」とは、建設工事を他の者から請け負つた建設業を営む 者と他の建設業を営む者との間で当該建設工事の全部又は一部につい て締結させる請負契約をいう。
4 「元請負人」とは、下請契約における注文者である建設業者であつ て、その取引上の地位が下請負人に対して優越しているものをいう。
5 「下請負人」とは、下請契約における請負人をいう。
6 「特定建設業者」とは、建設業法第3条第1項第二号に該当するも のであつて、同項に規定する許可を受けた者をいう。 〔別紙〕 1 検査期間について これは、工事完成後、元請負人が検査を遅延することは、下請負人に必要 以上に管理責任を負わせることになるばかりでなく、下請代金の支払遅延の 原因ともなるので、工事完成の通知を受けた日から起算して20日以内に確 認検査を完了しなければならないこととしたものである。ただし、20日以 内に確認検査ができない正当な理由がある場合には適用されない。 例えば、風水害等不可抗力により検査が遅延する場合、あるいは、下請契 約の当事者以外の第三者の検査を要するため、やむを得ず遅延することが明らかに認められる場合等は正当な理由があるといえよう。
2 工事目的物の引取りについて これは、確認検査後、下請負人から工事目的物の引渡しを申し出たにもか かわらず、元請負人が引渡しを受けないことは、下請負人に検査後もさらに 管理責任を負わせることとなるので、特約がない限り、直ちに引渡しを受け なければならないこととしたものである。ただし、引渡しを受けられない正 当な理由がある場合には適用されない。 例えば、検査完了から引渡し申し出の間において、下請負人の責に帰すべ き破損、汚損等が発生し、引渡しを受けられないことが明らかに認められる 場合等は正当な理由があるといえよう。 3 注文者から支払を受けた場合の下請代金の支払について これは、元請負人が注文者から請負代金の一部または全部を出来形払また は竣工払として支払を受けたときは、下請負人に対し、支払を受けた出来形 に対する割合および下請負人が施行した出来形部分に応じて、支払を受けた 日から起算して1月以内に下請代金を支払わなければならないこととしたも のである(元請負人が前払金の支払を受けたときは、その限度において当該 前払金が各月の当該工事の出来形部分に対する支払に順次充てられるものと みなす。)ただし、1月以内に支払うことができない正当な理由がある場合 には適用されない。 例えば、不測の事態が発生したため、支払が遅延することに真にやむを得 ないと明らかに認められる理由がある場合等は正当な理由があるといえよ う。 なお、認定基準3の下請負人に対する下請代金の「支払」とは、現金また はこれに準ずる確実な支払手段で支払うことをいう。したがつて、元請負人 が手形で支払う場合は、注文者から支払を受けた日から起算して1月以内に、 一般の金融機関(預金又は貯金の受入れ及び資金の融通を業とするものをい う。)で割引を受けることができると認められる手形でなければならない。 また、元請負人が請負代金を一般の金融機関で割引を受けることが困難な 手形で受けとつた場合は、その手形が一般の金融機関で割引を受けることが できると認められるものとなつたときに支払を受けたものとみなす。 4 特定建設業者の下請代金の支払について これは、特定建設業者が元請負人となつた場合の下請負人に対する下請代 金は、下請負人から工事目的物の引渡し申し出のあつた日から起算して50 日以内に支払わなければならないこととしたものである。ただし、50日以 内に支払うことができない正当な理由がある場合には適用されない。 例えば、不測の事態が発生したため、支払が遅延することに真にやむを得 ないと明らかに認められる理由がある場合等は正当な理由があるといえよ う。 なお、認定基準3との関係は、下請負人に対する下請代金の支払期限が、 認定基準3による場合と認定基準4による場合といずれが早く到達するかに – 65 – よつて決まるのであり、認定基準3による方が早くなつた場合には認定基準 4は適用されないこととなる。
5 交付手形の制限について これは、特定建設業者が元請負人となつた場合の下請代金の支払につき、 手形を交付するときは、その手形は現金による支払と同等の効果を期待でき るもの、すなわち、下請負人が工事目的物の引渡しを申し出た日から50日 以内に一般の金融機関で割引を受けることができると認められる手形でなけ ればならないこととしたものである。 割引を受けられるか否かは、振出人の信用、割引依頼人の信用、手形期間、 割引依頼人の割引枠等により判断することとなろう。
6 不当に低い請負代金について これは、元請負人が取引上の地位を不当に利用して、通常必要と認められ る原価に満たない金額を請負代金の額とする下請契約を締結してはならない こととしたものである。 認定基準6でいう原価は、直接工事費のほか、間接工事費、現場経費およ び一般管理費は含むが、利益は含まない。 7 不当減額について これは、元請負人は下請契約において下請代金を決定した後に、その代金 の額を減じてはならないこととしたものである。これには、下請契約の締結 後、元請負人が原価の上昇をともなうような工事内容の変更をしたのに、そ れに見合つた下請代金の増額をしない等実質的に下請代金の額を減じること となる場合も含まれる。ただし、下請代金の額を減ずることに正当な理由が ある場合には適用されない。 例えば、工事目的物の引渡しを受けた後に、瑕疵が判明し、その瑕疵が下 請負人の責に帰すべきものであることが明らかに認められる場合等は正当な 理由があるといえよう。
8 購入強制について これは、元請負人が取引上の地位を不当に利用して、資材、機械器具また はこれらの購入先を指定し、購入させてはならないこととしたものである。 例えば、契約内容からみて、一定の品質の資材を当然必要とするのに、下 請負人がこれより劣つた品質の資材を使用しようとしていることが明らかに なつたとき、元請負人が一定の品質の資材を指定し、購入させることがやむ を得ないと認められる場合等は不当とはいえないであろう。
9 早期決済について これは、元請負人が工事用資材を有償支給した場合に、当該資材の対価を、 当該資材を用いる建設工事下請代金の支払期日より以前に、支払うべき下請 代金の額から控除し、または支払わせることは、下請負人の資金繰りないし 経営を不当に圧迫するおそれがあるので、当該資材の対価は、当該資材を用 いる建設工事の下請代金の支払期日でなければ、支払うべき下請代金の額か ら控除し、または支払わせてはならないこととしたものである。ただし、早期決済することに正当な理由がある場合には適用されない。 例えば、下請負人が有償支給された資材を他の工事に使用したり、あるい は、転売してしまつた場合等は正当な理由があるといえよう。
10 報復措置について これは、取引上の地位が元請負人に対して劣つている下請負人が、元請負 人の報復措置を恐れて申告できないこととなる事態も考えられるので、元請 負人が認定基準に該当する行為をした場合に、下請負人がその事実を公正取 引委員会、国土交通大臣、中小企業庁長官または都道府県知事に知らせたこ とを理由として、下請負人に対し取引停止等の不利益な取扱いをしてはなら ないこととしたものである。

「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」(抄) (平成12年5月31日法律第104号) (対象建設工事の請負契約に係る書面の記載事項) 第13条対象建設工事の請負契約(当該対象建設工事の全部又は一部について 下請契約が締結されている場合における各下請契約を含む。以下この条において 同じ。)の当事者は、建設業法(昭和24年法律第100 号)第19条第1項に 定めるもののほか、分別解体等の方法、解体工事に要する費用その他の主務省令 で定める事項を書面に記載し、署名又は記名押印をして相互に交付しなければな らない。 2 対象建設工事の請負契約の当事者は、請負契約の内容で前項に規定する事項 に該当するものを変更するときは、その変更の内容を書面に記載し、署名又は記 名押印をして相互に交付しなければならない。 3 対象建設工事の請負契約の当事者は、前2項の規定による措置に代えて、政 令で定めるところにより、当該契約の相手方の承諾を得て、電子情報処理組織を 使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって、当該各項の規定 による措置に準ずるものとして主務省令で定めるものを講ずることができる。こ の場合において、当該主務省令で定める措置を講じた者は、当該各項の規定によ る措置を講じたものとみなす。 (分別解体等実施義務) 第9条特定建設資材を用いた建築物等に係る解体工事又はその施工に特定建設 資材を使用する新築工事等であって、その規模が第3項又は第4項の建設工事の 規模に関する基準以上のもの(以下「対象建設工事」という。)の受注者(当該 対象建設工事の全部又は一部について下請契約が締結されている場合における各 下請負人を含む。以下「対象建設工事受注者」という。)又はこれを請負契約に よらないで自ら施工する者(以下単に「自主施工者」という。)は、正当な理由 がある場合を除き、分別解体等をしなければならない。 2 前項の分別解体等は、特定建設資材廃棄物をその種類ごとに分別することを 確保するための適切な施工方法に関する基準として主務省令で定める基準に従 い、行わなければならない。 3 建設工事の規模に関する基準は、政令で定める。 4 都道府県は、当該都道府県の区域のうちに、特定建設資材廃棄物の再資源化 等をするための施設及び廃棄物の最終処分場における処理量の見込みその他の事 情から判断して前項の基準によっては当該区域において生じる特定建設資材廃棄 物をその再資源化等により減量することが十分でないと認められる区域があると きは、当該区域について、条例で、同項の基準に代えて適用すべき建設工事の規 模に関する基準を定めることができる。

「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律施行令」 (平成12 年11 月29 日政令第495 号) (建設工事の規模に関する基準) 第2条法第9条第3項の建設工事の規模に関する基準は、次に掲げるとおりとする。 一建築物(建築基準法(昭和25 年法律第201 号)第2条第1号に規定する建築物 をいう。以下同じ。)に係る解体工事については、当該建築物(当該解体工事に係る 部分に限る。)の床面積の合計が80 平方メートルであるもの 二建築物に係る新築又は増築の工事については、当該建築物(増築の工事にあっては、 当該工事に係る部分に限る。)の床面積の合計が500 平方メートルであるもの 三建築物に係る新築工事等(法第2条第3項第2号に規定する新築工事等をいう。以 下同じ。)であって前号に規定する新築又は増築の工事に該当しないものについては、 その請負代金の額(法第9条第1項に規定する自主施工者が施工するものについては、 これを請負人に施工させることとした場合における適正な請負代金相当額。次号にお いて同じ。)が1億円であるもの 四建築物以外のものに係る解体工事又は新築工事等については、その請負代金の額が 500 万円であるもの
2 解体工事又は新築工事等を同一の者が二以上の契約に分割して請け負う場合において は、これを一の契約で請け負ったものとみなして、前項に規定する基準を適用する。た だし、正当な理由に基づいて契約を分割したときは、この限りでない。

「特定建設資材に係る分別解体等に関する省令」 (平成14 年3 月5 日国土交通省令第17 号) (対象建設工事の請負契約に係る書面の記載事項) 第4条法第13条第1項の主務省令で定める事項は、次のとおりとする。 一分別解体等の方法 二解体工事に要する費用 三再資源化等をするための施設の名称及び所在地 四再資源化等に要する費用

 

 

 

 

 

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